Sunday, 31 October 2010

週末の記事、お休みのお知らせ



今週からしばらくの間、週末のポスト(記事)はお休みさせていただくことに致します。
このブログのメインである歌詞の英訳がなかなか思うように進まないので、週末はそちらに集中したいというのが理由です。
歌詞の英訳を楽しみにしてくれている外国にいるファンの皆様、ご迷惑をおかけしていますこと大変申し訳なく思っております。
そして志村君、ごめんなさい。


フジファブリックの音楽は、他の誰にも真似できない不二の音であることは確かですが、この音の上に志村正彦くんの書く歌詞が加わることによって、あのフジファブリックワールドが完成すると私は思っています。フジファブリックの詩(ロックミュージックの歌詞ですが、文学の域)は、志村君が長年自分を律し続けて書き上げた大切なものです。

私の憶測ですが、きっと中学三年生の時、「ミュージシャンになるんだ!」と決めたその日から自分でいろいろ綿密な計画をたて、「一流のソングライターになるためには、日本語を巧みに使いこなさなければならない。」と思い、その目標のためにありとあらゆる分野の書籍を読んで、日本語の語彙を体に染み込ませようとしたのではないでしょうか。
そうでもしないといざ歌詞を書こうとした時、自分の使いたい言葉なんか自由自在にでてくるものではないと思ったからこそ、高校の図書館で自分ほど本を借りた生徒は居ないと自負するほど本を読んだのでしょう。
全てを音楽のためにしていた志村君のことですから。

そしてこちらでも書きましたように、「歌詞の世界と殉死している」とまで言い切った志村君の書く歌詞は、フジファブリックの音楽には絶対欠かせないものだと思うのです。同世代のバンドとは比べ物にならない美しい日本語、豊富な語彙、詩的感性。

ある時は、まるで風景画が立体になったようです。
またある時は、私たちの心にある傷を負った部分に優しく寄り添ってくれます。
本当に深い悲しみや寂しさに居る時、ちゃちな慰めの言葉はかえってその傷をえぐることがあります。ほっといて欲しい、と思うものです。
でもフジファブリックの歌詞は、「がんばれ」とか「元気をだして」のように直接的な励ましの言葉が一切ない代わりに、ただ静かに傷ついた心に寄り添ってくれるのです。
それは志村君自身が、深い悲しみと寂しさがどんなものか知っていたからできたことに違いありません。


このブログを始めてから今日まで、26カ国からアクセス頂きました。
とてもありがたいことです。

英語圏のみならず、ヨーロッパはロシア、フランス、イタリア、ルーマニア、ウクライナ、スペイン、オランダ、スイス、デンマーク、スロベニア。
南米はチリ、ブラジル、メキシコ。
南アフリカ。
またアジア圏はインド、台湾、韓国、中国、モンゴル、マレーシア、シンガポール。
実に様々な文化圏、言語圏から来ていただきました。

その世界のファンの方々に、私たち日本のファンが愛してやまないフジファブリックワールドを完全な形で楽しんでいただきたいのです。
現在、フランス語訳も計画中です。
そして今日、世界のどこかの国で、たった一曲だけでもフジファブリックの曲が流れそれを聴いてくれる人がいたら、フジファブリックファンとしてこんなに嬉しいことはありません。
志村君が遺してくれたものを、日本の宝として海外の人たちと共有できるのですから。

怠け者の勝手な言い訳ですが、そのような事情で週末の記事をしばらくお休みさせていただきます。
コメントやメールによるブログへのご要望は週末でも毎日チェックしておりますので、いつでもご連絡ください。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2 comments:

nana said...

ice blue norm です。

志村さんが「歌詞の世界と殉死している」ほどに音楽に命を捧げた人であることを知って、心が打たれました。
彼の残した音楽を大切にしたいし、たくさんの人に知ってもらいたいです。
歌詞の翻訳のお手伝いが出来ればと思います。「眠れぬ夜」を訳したいと思っています。
恐れ多くもお願いします。

杉山麻衣 Jack Russell Terrier in Bangkok said...

ice blue norm さん、コメントありがとうございます。いつもとても励まされています。
私はフジファブリックの音楽の大ファンであると同時に、志村正彦くんを人間として、心から尊敬しています。
私たちは日本の音楽界の宝を無くしただけでなく、一人の素晴らしい青年をなくしてしまいました。今までの苦労の分、これからは幸せになって欲しかっただけに、残念でなりません。
翻訳のお手伝いのお話、どうもありがとうございます。
細かいお話をさせていただきたいと思いますので、jrtinbkk@gmail.com にメールをいただけますか?
よろしくお願いいたします。