Wednesday, 27 October 2010

wedding song 二人で過ごす日々に笑顔あれ

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日本から初雪の便りが届きました。
秋を通り越して冬になってしまうのでしょうか。
志村君が天に召されてから、「桜の季節」「陽炎」「赤黄色の金木犀」と三季節も過ぎてしまいました。
「銀河」の冬がこんなに早く来ると、一年が例年より早くきてしまうのではないかと、不安で悲しくてしょうがないのですが、私たちの思いとはうらはらに、寸分の狂いもなく時計は時を刻んでいきます。
これから何年経っても、志村君を失った悲しみが癒えることはありません。
ただこの気持ちを少しずつごまかしながら、毎日を重ねていくことしかできないのです。

さて、日本人の結婚に話を戻しましょう。
武士文化の影響により、日本の結婚は「家同士のつながり」が強調されるようになったわけですが、(くわしくはwedding song 日本人の結婚観をご参照ください)それには弊害もありました。

親同士の取り決めにより結婚相手を選ばれてしまうため、二人の愛は二の次となってしまうのです。二人で一緒にいたいという欲求から、不義の愛をつらぬく物語が数多く生まれ、日本の文学、文楽、歌舞伎などの世界で庶民の絶大なる人気を集めました。
ほんの一部ですが、ご紹介しましょう。



歌舞伎 「髪結新三」
江戸京橋の材木商は後家が家を守っている。しかし商売はうまくいかず、娘のお熊に金持ちの婿を取らせようとする。そのお熊は手代、忠七と恋仲。出入りの髪結、新三はふたりに駆け落ちを勧める。じつはお熊を手に入れ、身代金をせびる腹だった。

伊藤左千夫 「野菊の墓」
民子と政夫のいとこ同士の間に芽生えた恋は、世間を気にする大人たちに阻まれ、悲しい結末を迎える。

小泉八雲 「日本の心」
太郎とおよしの純粋な愛は、およしの継母お玉による腹黒い策略により阻まれる。二人がとった永遠の夫婦になるための手段とは・・・。

悲恋は東洋的ですね。
韓国ドラマの定番です。

現代日本では、好きな人と自由に結婚できるようになったわけですが、二人の意思が尊重されるからこそ結婚生活を維持するのがかえって難しいこともあるのかな、と思います。
好きになったらすぐ結婚して、ちょっと相手が嫌になったらすぐ離婚・・・というパターンになりかねません。
長い結婚生活には山あり谷あり、いい時ばかりではなくけんかをしたり関係がこじれることも多々あります。そんな時、自分をとりまく両家の家族・親戚が感情に走るのを思いとどまらせ、冷静さを取り戻す原動力になることも事実です。
(その逆もおおいにありですが・・・。)

やはり日本人には、「二人の愛」と「家」のいいバランスを保つことが重要なのではないでしょうか。

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3日にわたりフジファブリックのwedding song について、考えてみました。
お二人の幸せを願う、というところが現代を象徴しているのがお分かりになりましたか?
二人の愛が重要ポイントでありながら、いまだ伝統的な「家」同士の結びつきが強い影響力を及ぼす現代日本の恋愛結婚。

新婚さんのムードが溢れる、ほんわか心が温かくなる曲です。
そして志村君の「笑顔」が幸せな家庭のキーワード、という気持ち、伝わってきますね。

大森さん、志村君の妹さん、どうぞ末永くお幸せに・・・。

5th アルバム「MUSIC」6曲目、「wedding song」、ぜひ聴いてみてください。

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