Monday 30 April 2012

富士吉田の桜

日本の皆様、ゴールデンウィークをいかがお過ごしですか。
こちらバンコクでは以前、うだるような真夏が続いておりますが、山梨でも突然冬から夏へと季節を飛び越したそうですね。甲府ではおとといあたりから、半袖でちょうどよいぐらいの陽気となったとききました。
昨日はなんと30度近くもあったと!季節は駆け足で変わっていきます。

フジファブリックファンの方が、4月28日(土)に富士吉田と河口湖を訪れて、たくさんのお写真を送って下さいました。くるみさん、写真提供どうもありがとうございます。温かい応援、いつも感謝しております。

桜の季節、山梨にいらっしゃれなかったフジファブリックファンの皆さん。ぜひご覧になって下さい。こんな綺麗な景色をいつも見られる人達は、人生何かが違うと思います。

(忠霊塔 正式名称「新倉山浅間公園」入り口です。外国からの観光客に「写真を撮ってもらえますか。」と声をかけられる人気スポットの一つ。とても日本的ですものね。)

(富士山の下、写真下方に中央道が見えます。)

(397段ある階段。上に着く頃には、心臓はばくばく、脚はがくがく。地元の野球部の生徒達が、よくこの階段を上り下りしているのを見かけますが、ここで足腰鍛えたら強くなるでしょうね。)

(公園内にある富士見展望台からの眺め。なんとも清々しい富士山が裾野を広げています。くるみさんの情報によると、午前中はこのように雲ひとつない富士山が見えましたが、午後になると雲がかかってしまったとのこと。今からの季節、11時過ぎには水蒸気が上がり、雲がかかりやすくなるため、富士山の全貌を見たい方はぜひ早起きしていらして下さいね。)

(富士山の色が、冬山から夏山に変わりつつあるような気がします。子供が富士山を描くときに、デフォルメして青の三角に先がギザギザの白い帽子をかぶった様に描きますが、まさにその雰囲気です。中央にある白い建物が、昨年末「志村正彦展」を開催した市民会館です。)

(「ほこたて」にも登場したこの風景。戦後間もなく、山梨県甲府市からアメリカに向けて、水晶のブローチやペンダントヘッドが大量に売られました。その中でも人気のモチーフが、この「松・富士山・五重塔」だったそうです。)

(左側に忠霊塔がくるのも、またいいですね。)

(以前「音楽と人」で、志村君が傘をさしてこの階段でとった写真が掲載されていましたよね。桜の季節には一眼レフを持ったアマチュアカメラマンで、いっぱいになります。新緑の季節も、これまた素晴らしい眺めです。)

(富士と桜。そして市民会館。フジファブリックファンにはたまらない構図です。)

(これは河口湖から見た富士山です。先週、NHK甲府で河口湖の桜が満開だというニュースをしていたそうですが、もうそろそろ散り始めでしょうか。ここは夜桜もきれいです。)

(桜の木の下に、たくさんの人が見えますね。絶好のお花見日和でしたから、地元の人達も多かったと思います。)

そしてこちらは「魁」本店から見た夜桜です。こちらも日本画のように美しいですね。このお写真は、地元富士吉田でフジファブリックを応援して下さっているkazzさんから提供して頂きました。「志村正彦展」実行委員のお一人でもいらっしゃいます。kazzさん、いつもありがとうございます。地元の人しか知りえない情緒溢れる桜です。

kazzさんのツイッターアカウントはこちら。kazz3776
志村正彦展のこぼれ話、富士吉田の隠れた?名所、おいしいお店など、フジファブリックファンにとっては嬉しい情報満載です。

「魁」本店のお店情報はこちらです。
食材は富士五湖で穫れたものを主に使い、調味料も山梨県産のもの。夜桜を見物しながら、地酒などいかがですか。

「日本人に生まれてきて良かったな。」と、桜の季節が来る度に感じます。花の美しさだけではなく、散りゆく姿に美を見出してきた日本人の感性。四季の移ろいに諸行無常を感じ、飾り気のない美を愛する心。
その美意識を、日本人は1000年もの間、桜の花に託し続けてきました。
もしかしたら、もう私たちのDNAの中に溶け込んでいるのでは、と思う時さえあります。

フジファブリック「桜の季節」には、そんな「桜」がいっぱいです。

最後にもう一枚。昨日、バンコク市内にある焼肉屋さんに行ったのですが、メニューがリニューアルされていて、なんと表紙が忠霊塔!外国人の心をくすぐる、日本を代表する構図なんですね。成田空港のお土産やさんでも、マグネットやコースターなどに使われているのをよく見かけます。


今日の一曲は、やはりこれ。「桜の季節」です。富士吉田で、またひとつ、桜の季節が終わろうとしています。あれから3度目の桜の季節です。

Wednesday 25 April 2012

タイへ戻ってまいりました


タイへ戻ってまいりました。
花の香りがする爽やかな春の風の中、「山梨は、これから一年で一番良い季節が始まるんだな。」と、寂しい気分になりながら山梨を後にして、飛行機に乗り、バンコクに着いたら・・・その暑いこと!
夜11時の時点で31度!!
嫌な予感は的中し、翌日のお昼に私の車は「外気温43度」を記しておりました・・・。熱帯の暑さは、体にこたえます。
日本の新緑に溢れる山々は、本当にきれいだったなぁ。

今日は富士吉田の桜を思い浮かべながら、フジファブリック インディーズ時代を振り返ってみたいと思います。

今私の手元にあるフジファブリックに関する記事の中で一番古いものは、2002年10月号RooftopとQuipの2冊です。インディーズ時代に出した1st album「アラカルト」が2002年10月31日発売でしたので、それに合わせてのインタビューとなっています。

メンバーも現メンバーとはずいぶん異なります;

ボーカル・ギター 志村正彦
ドラムス 渡辺隆之
キーボード 田所幸子
ギター 萩原彰人
ベース 加藤雄一

(ベースの加藤雄一さんは、2002年8月脱退になっていますが、このインタビューには登場いたします)
この時代からのオリジナルメンバーは、唯一、志村正彦君だけです。
このメンバーになった時に、「富士ファブリック」から皆さんに馴染みの深いカタカナ書き「フジファブリック」に改名した、というのもここに記しておきたいと思います。


今日は「Quip」2002年10月号の記事をみてみたいと思います。

インタビューの内容が、とてもとてもフジファブリックらしい!
音楽を心から楽しみながらバンド活動しているのが伝わってきて、かえって切ないです。

まず、2002年夏の時点で志村君はガーデニングにはまっていると言って、メンバー全員に爆笑されています。マザーリーフ(水に浮かべると、葉の縁に子供の芽が出てくるもの)などにこっていたもようです。



曲や歌詞の書き方、バンドアレンジの仕方なども、かなり事細かく説明しています。

この頃の志村君は、まずメロディーを作り、その後バンドで合わせ、メンバーの反応を見て、皆で曲の雰囲気を分かち合ってから歌詞を作っていたそうです。バンドで合わせる前に歌詞を作ったこともあったけれど、曲のイメージがアレンジによって変わってしまうことも多いので、この方法に落ち着いたそうです。

新しいメロディーをメンバーに披露する時の感じが、とても志村君らしくて思わず笑みがこぼれてしまいます(笑み)。
まず全然関係ないセッションの時などに、なにげなく志村君がギターを弾いて歌って聴かせる。「今から新メロディー発表します!」という宣言は行いません。本人「恥ずかしい。」と言っております。
またボツにされた時のショックが大きいから、あらかじめなんとなくやり始めて、メンバーの反応が良かったものだけ新曲製作に繋げるのだそうです。これぞフジファブリック!!

志村君一人で曲を作り込むのではなく、メンバーとのセッションの中でアレンジしていく方が面白いものが作れると言っています。
「志村の作る世界感を壊さないように、もっと広げてあげられるように。明確になるように。」「具体化する。」のだと、メンバーが口を揃えて言っています。

このセッションを経てから、志村君が夜自分の部屋で一人、歌詞を書きます。
メンバーから歌詞に付いて注文がついたことは特にないけれど、アレンジ後に予想外の歌詞が出てきたりすることはあるそうです。
「ヘイヘイベイベー」などなど。

歌詞に実体験が反影されることも多いというのは、当時から変わっていませんね。
歌詞を考えている時には、テレビを見ていても、普通に道を歩いていても、何をしていても詞を乗せることに直結して考えているので、常に歌詞のことが頭にあるそうです。普通の仕事と違って、プライベートと仕事を切り離すことができないのだということが、わかります。休まる暇もなく、さぞ大変なことだったでしょう・・・。

「Teenager」や「Chronicle」の時も同様の方法で作っていたのでしょうか。大変なことです。



アルバムタイトル「アラカルト」のいわれを、ご存知ですか。
アルバムタイトルを発表しなければいけないのに、なかなか思い付かない。そんな時に、マスタリングスタジオから20メートル位離れた所にあるスパゲティ屋さんのメニューに「アラカルト」と書いてあるのを発見。
「『アラカルトって良くない?』と言ったら皆良いというので。色んな物があるイメージじゃないですか?うちって結構、バラバラじゃないけど色んなパターンの曲があるんで。」
まさにアラカルトな内容のアルバムに仕上がっています。
「自分が買いたくなるようなアルバム」と、志村君自身も言っています。

皆さんご存知の通り、収録曲はこの6つです。
「線香花火」「桜並木、二つの傘」「午前3時」「浮雲」「ダンス2000」「茜色の夕日」

今でも聴き継がれている曲ばかりです。

インタビューの最後に志村君が言っている言葉を、ここに引用させて頂きます。

「(フジファブリックの)野望は・・・あ!日本で独自の位置に行きたいです。俺色んなバンド好きですけど、そのバンドの全曲が好きとかライブが見たいバンドってないんですよ。なんで、全曲好きなやつを作るっていうか。日本ってバンド凄く多いし、言い方が悪いけど同じようなバンドも多いと思うんですけど、出来るだけ自分達らしいというか、そういうのを大切に、独特な所を目指したいですね。」

まさにそういうバンドです、フジファブリック!
私はフジファブリックのベスト盤を出すのは、大反対の人間です。フジファブリックの曲はB面含めて全てが「ベスト」ですから!!どの曲をベスト盤に入れるかなんて、選びようがありません。これほど人によって好きな曲が違うバンドも珍しいですしね。
同じバンドが書いたと思えない曲がびっしり詰まったアルバムの数々は、私たちの宝物であり続けます。

今日の一曲は、「アラカルト」から「線香花火」です。「アラカルト」の歌詞英訳を始めました。「線香花火」のわびしさを久しぶりに思い出しながら、聴いてみて下さい。


Monday 23 April 2012

富士吉田より

(2012年4月17日 新倉浅間神社にて)

4ヶ月ぶりに、富士吉田へ行ってまいりました。
甲府では桜が散り始めていた4月17日のこと。
そろそろ富士吉田でも桜が咲く頃かと(例年ですともう咲いている時期なので)、「富士山・桜・五重塔」という出来過ぎた日本画のような風景を友人に見せようと、連れ立って出かけたのですが・・・まだまだ桜は咲いていませんでした。

つぼみがふくらみかけたぐらいでした。

その代わり忠霊塔では、富士吉田観光振興サービスの車に遭遇。こちらは桜が満開でした。
最近決まった富士吉田の萌えキャラ「桜織(さおり)ちゃん」もいます。

4月15日に山梨放送で「ほこ・たて 山梨VS静岡 富士山対決」の再放送をしたばかりだったので、嬉しさ倍増でした。私の周りで、何度この番組が話題にのぼったことでしょう!

私たち山梨県民は、山梨側から見た富士山になじみがあるので、当然「山梨から見た富士山の方が美しい」と信じて疑いません。「だって富士山の山の形が、山梨から見たほうが美しいでしょう。」と、山梨県民百人いれば百人が答えると思います。
そして私もその一人です。(笑)
志村君も山梨側の富士山が勝って、喜んでいるかなぁ。


曇り空に富士山は全く見えず、風もとても冷たくて、「富士山・桜・五重塔」の内残念ながら2つが欠けてしまったのですが、早春に咲くこんな可愛いお花が見られたのでいいことにします。


忠霊塔の後に訪れた冨士浅間神社では、日陰にまだ雪が残っていました。「冨士北麓では、本格的な春まであと少しか。」などと考えながら散策しているうちに、雨がぱらりぱらりと降り始め、急いで車を走らせて西湖にあるコウモリ穴を見学。洞窟から出てきたらなんと雷が鳴り響き、ひょうが降っているではないですか!

車のフロントガラスに降り積もる氷の粒に、友人は大変感激していました。確かにあまりできない経験です。山の天候は変わりやすいですね。
(2012年4月17日 冨士浅間神社にて)
夜は6度まで下がり、雨にしっとり濡れた森の香りを満喫しました。

(2012年4月18日 北杜市神代桜)

翌日18日は、山梨県の北部に位置する北杜市(甲府市を挟んでちょうど富士吉田の反対側。長野県寄りです)へ樹齢2000年という神代桜を見に行ったのですが、い並ぶ屋台の中に「吉田のうどん」を発見!
山梨県内にあるほとんどのスーパーで「吉田のうどん」は手に入りますから、富士吉田に限らず、最近では「山梨全体の名物」になりつつあるようです。


最後におまけの一枚をどうぞ。
山梨県韮崎市にある「王仁塚(わにづか)の桜」です。まだ稲の植えられていない茶色い田んぼの中に、枝をいっぱいに広げ、樹齢300年の大木は立っていました。長い間この地に根を張り、自然の、そして人々の営みを見守ってきたのでしょう。

はらはらと散る薄ピンク色の花びらは、沈み行く淡桃色の夕日に溶けていくようでした。

今日の一曲は、やはりこれ。「桜の季節」です。満開の桜は本当にきれいで、散り行く儚さに胸が震えます。「花のように儚くて 色褪せてゆく」 花が桜の代名詞なのもうなづけます。


Friday 13 April 2012

甲府の桜



日本へ戻ってまいりました。
前回12月に帰ってきたときには、骨にしみいる?寒さでしたのに、たった3ヶ月で季節は春になっていました。季節の移ろいの速さに驚くと共に、なんだか目が覚めたような気分です。

甲府では桜が満開で、そろそろ散り始めました。桃の花も5部咲きです。
寒い日には富士山がきれいに甲府盆地からも見えますが、今日のように曇り空に春霞ですと、山梨にいながらも残念ながら富士山はみえなくて、少し寂しい気分です・・・。
富士吉田では、まだ桜は咲いていないとききました。来週あたり一気に咲くでしょうか。



今日の昼、甲府盆地、笛吹市御坂町で撮った写真をアップ致します。この後ろの峠を越えたら富士吉田です。
来週は富士吉田から、お届けいたします。




今日の一曲は「桜並木、二つの傘」です。この曲、桜吹雪の中で聴くとまた一段と魅力が増すんですよねぇ。

Friday 6 April 2012

桜の季節



ブログの更新が滞っております。

でもその間に・・・フジファブリックの歌詞英訳を、進めておりました!推敲に推敲を重ね・・・、全曲英訳完成まで、残すところあと15曲となりました!「MUSIC」の5曲と、ミニアルバム10曲。できれば夏までには、全曲仕上げたいな、と思っております。

2年越しの私の夢!! 
予定より大幅に遅れましたが、外国にいるファンにより深くフジファブリックの世界を楽しんでいただけたらと願ってやみません。

友人の添削?を待っている曲以外は、右コラム「歌詞」にアップしております。よろしかったらご覧下さい。

山梨では、桜が開花しました。(甲府の桜 待望の開花宣言 2012年4月2日付 山梨日日新聞)
桜を見たときのこのなんともいえない気持ちは、言葉に表すと桜のように儚く散ってしまいそう。
今年の冬は、特に寒さが厳しかったですから、皆が待ち望んでいた桜です。

甲府では今週末が見頃だそうです。富士吉田ではあと2週間というところでしょうか。
山梨は山が多いので、盆地で桜の見頃を過ぎても、山の上では花がほころび始めるという具合で、長い間桜を楽しめます。また、国中で桜が散ってしまっても、郡内や長野県よりの地方(北杜市など)へ行くとまだ満開なので、二度楽しめるのです。

昨年は桜を見逃したので、今年は楽しみに帰国したいと思います。

今日の一曲は、「桜の季節」。
春のなんともいえない気分を表した、四季盤のはじめの曲です。