Tuesday 15 April 2014

2014年4月13日(日) Live at 富士五湖文化センター 上映會レポート1

いつの間にか雨マークが天気予報から消え、いよいよ上映會当日となりました。

ちょうど12時に会場となるふじさんホール(富士吉田市民会館)に到着し、チャイム音に編集された「若者のすべて」を聴くことができました。ファンの方々がホール裏にある駐車場で、チャイムに聞き入っていました。

富士山の麓にある北富士演習場では火入れ(野焼き)が行われ、富士吉田の街は煙と灰に見舞われていましたが、白く煙る空の下、フジファブリックのデビュー曲「桜の季節」に合わせるかのように淡いピンクの桜が街中で咲いていました。

大ホール入り口前には、「路地裏の僕たち」より贈られた花輪が飾られていました。「フジファブリックさん江 路地裏の僕たちより」という言葉に、路地裏の僕たち一同から四人揃ったフジファブリックメンバーひとりひとりへの尊敬と愛情を感じました。

企画展恒例の「路地裏の僕たち」による「大地讃頌」斉唱の後、入場開始。(毎回、心を一つに気合を入れるために歌われる「大地讃頌」ですが、今回の少々気の抜けるアクシデントはご愛嬌です!)

メイン入り口を入ると、壁には2008年5月31日に撮影された多くの写真が展示されていました。

階段を上がったところにある二階ホールには、志村正彦さんが描いた「志村作 富士吉田探索マップ」(拡大サイズ)と、当日使用したギターやアンプ、ご本人が着用したTシャツ、4月16日に発売される「FAB BOX Ⅱ」等が整然と展示され、多くのファンが写真を撮りながら当時の模様に思いを馳せていました。

個人的に印象深かったのは、一階入り口左側に飾ってあった写真でした。
2008年の凱旋ライブ前に撮影されたと思われる、一枚の写真。
月江寺駅前にて「夢よ叶え!聴かせておくれよフジファブリック」と書かれた横断幕の下、普段公の場ではあまり見せない照れくさそうな志村君の笑顔が忘れられません。

この横断幕は、2011年、2012年に開催された「志村正彦展」で、企画展のシンボル的存在として展示されました。

あの笑顔が言葉はなくとも、彼の思いをすべてを語ってくれていると思いました。


午後一時半過ぎ、EMI RECORDS今村圭介さんの挨拶で上映會は幕を開けました。
「2008年に行われた凱旋ライブの後、会場は現在のふじさんホールへとリニューアルされましたが、緞帳、ステージなどは当時のまま使われている」、「当日と同様の音響は不可能なのですが、ライブ感を出すために頑張った」という趣旨の説明がありました。

会場が暗くなり、あの「大地讃頌」が聞こえ、上映會がいよいよ始まりました。

上映會レポート、次回に続きます。

Friday 11 April 2014

速報! 2014年4月13日富士吉田市チャイム変更のお知らせ

いよいよ日曜日が近付いてまいりました。

気になっていた雨マークが天気予報から消え、ひとまずホッとしましたが、当日は花冷えの一日となりそうですので、皆様、どうぞ暖かい服装でいらして下さい。

今日は富士吉田市から嬉しいニュースが入りましたので、お知らせ致します。

2014年4月13日(日)、富士五湖文化センターにて開催される「Live at 富士五湖文化センター 上映會」に併せまして、富士吉田市防災無線チャイムがフジファブリックの楽曲に変更されることとなりました!

13日限定で、お昼の12時のチャイムが「若者のすべて」、夕方6時のチャイムが「茜色の夕日」に変更となります!

詳しくはこちらの富士吉田市役所ホームページをご覧ください。
富士吉田市役所 若手職員プロジェクトによる防災無線音変更について



残念ながらチケットに当選せず、上映會に来られないファンの方も多いときいております。

「富士吉田に行きたい。会場に入れなくてもいいから、志村君の思い出の場所、市民会館で感動の瞬間をみんなと共有したい。」

そのような気持ちでいらっしゃるファンの方々にも思い出に残る、富士吉田市からの素敵なプレゼントです。

桜の咲く富士吉田でDVDを見て、チャイム音をきいて、志村正彦という人が確かにいたんだということを、静かに心に刻む日にできたらなと思います。

Wednesday 2 April 2014

桜の季節 英訳について


「桜の季節」の続稿です。

ブログをする目的というのは人様々だと思いますが、共通して言えることは「他者に、自分の知っている何かを伝えたい。」ということでしょうか。

私の場合には、「フジファブリックの音楽と魅力を、より多くの方々に知ってもらい、理解してもらいたい。フジファブリックの音楽に対して、正当な評価をしてもらいたい。」ということに尽きます。

志村君がまだこちらの世界で活動していたならば、このブログは恐らく開設されてはいなかったことでしょう。フジファブリックが成長し、大活躍するのをファンとして嬉しく見守っているだけだったと思います。

若くして天に召された志村正彦君を思った時、おこがましいながらも「一ファンとして、何か私にできることはないか。」と考えたのが、このブログを始めるきっかけでした。

フジファブリックの音楽には、お金には換算できない「商品」以上の価値があると私は思っています。

フジファブリックの歌詞は、叙情的でありながら余情に溢れ、独特の音楽にのって私達の心を打ちます。日本人独特の美意識や感情が、志村正彦君という人格を通して巧みな言葉で表現されているからです。


今まで読者の方から頂いたメールの中に、「フジファブリックの歌詞を英訳するにあたって、苦労したこと、興味深かったことなど、エピソードがあったら教えてください。」というものが多数ありました。
今日は、このような点をふまえて、「桜の季節」の歌詞を翻訳するにあたって苦労したこと、楽しかったことなどを、書いてみたいと思います。

まずは、日本語と英語という二つの言語の特徴について、私の専門である社会・文化人類学的な見地から簡単に説明したいと思います。

言語というものは、民族の文化そのものです。気候風土、生活形式、家族形態など、様々なことが作用してその民族の言語というものを形成していきます。

日英翻訳をする際には、日本語と英語という全く異なる系統からくる二つの言語に、それぞれの「風合い」を壊さずに翻訳するという点に、注意しなければいけません。

フジファブリックの歌詞に限らず、文章全般にいえることですが、日本語はわざと明言を避け、物事をあいまいにすることを得意としている言語です。主語がはっきりとしないことも多く、「誰がこれを考えて、言っているのか」、また「誰に対して言っているのか」、「目的語は何なのか」ということは、翻訳をするにあたっていつも突き当たる難関です。


「桜の季節」の歌詞をみてみましょう。

まず一節目の、
「桜の季節過ぎたら遠くの町に行くのかい?
桜のように舞い散ってしまうのならばやるせない」

「遠くの町に」行ってしまう人は、誰なのか?
この箇所を読む限り、「遠くの町に行く」人と「桜のように舞い散ってしまう」人とは、同一人物のように読み取れるけれど、果たしてそうなのだろうか?

というところから、始まります。

英語の場合には、主語を省略すること、またあいまいにすることは数少ない例外を除いて、通常は不可能です。

三人称単数である男性(he)なのか、女性(she)なのか。
悩んだ末、結局「you」を主語として使うことにしました。

この選択については論議を呼びそうですが、この場合の「you」は「あなた」という特定の人物の意味ではなく、「世間一般の人」を指している言葉(専門用語では、generic youと呼びます)を主語として使うことにより、「読み手が好きなように解釈できるような歌詞」という志村君の意思を少しでも表現したかったというのが、私の意図したところであります。

「we」も世間一般の人を指して使われる単語の一つですが、「you」よりも限定的なイメージを伴うため、却下しました。

「you」という言葉のもつ口語的な雰囲気と(oneは現代語で使うことは少なく、固くて古典的な感じがするのでこちらも却下)、志村君の意思を尊重して選びました。

逆に、「『やるせない』のは『僕』の心情として詠まれている。」という私の独断により、主語は「I」を使いました。


この「やるせない」という感情も、非常に日本人的な言い回しですね。
漢字では、「遣る瀬無い」と書きます。
「悲しみなどの気持ちを晴らす手段がない。気持ちが晴れないでつらい。」の意味です。(岩波 国語辞典 第三版)

「disconsolate」という言葉が、果たして一番的確な単語なのかどうか・・・。

この単語は「暗く、陰鬱で、悲しい」というニュアンスが強いので、なんともいえないあの「やるせなさ」は英語圏の人達に通じるのだろうか。
そもそも彼らの心にもある感情なんだろうか・・・。
無常観を伴う、日本人独特の感情なのではないだろうか。

実は私としてはいまだにこの単語についてははっきりとした自信がないのですが、翻訳の監修をして下さっているプロの翻訳家セリーヌ・ガーバットと話し合った結果、やはりこの単語にすることとしました。

これ以上に的確な単語が見当たらないというのが、その理由です。

将来的にもっと適切な単語が見つかったら、変更するかもしれません!
改稿に改稿を重ね、死ぬ時点で私の出来うる最高の英訳歌詞として遺せたら本望です。

最後にもうひとつ。

「舞い散る」という言葉に、桜の花びらがはらはらと風に散る動きを強調したかったため、「scatter」という単語を選択しました。

一節目だけでも、結構長くなってしまいました。

(次回に続きます。)

今日の一曲は、先日デビュー10周年記念スペシャルサイトで公開された「桜の季節」です(「Live at 富士五湖文化センター」に収録)。
13日には、富士吉田の桜が満開になればいいなと思います。

フジファブリック 「桜の季節」Live at 富士五湖文化センター