このブログで英訳歌詞の監修をしてくれている親友は、イギリスにあるロンドン大学東洋アフリカ学院 SOASで日本語と日本文化学を専攻していました。
私はそれまで、日本語はともかく日本学(Japan Studies, Japanology)などという学科が西洋諸国に存在するとも知らず、驚く反面とても嬉しかったのを覚えています。
大学によっても異なりますが、主に日本の歴史、経済、政治、文化について学びます。
日本限定の人類学のようなものでしょうか。
イギリスとフランスは文化人類学発祥の地で、長い植民地時代に世界中の国々で収集された膨大な記録を、初めて学問(人間の生活様式全体の具体的なあり方を研究する学問)として大学で教えた国でもあります。
そのせいか両国では、ごく一般の方でも日本文化に興味をもっている方が沢山居て、「茶道が及ぼす日本人の精神世界について教えて欲しい。」「宝塚はどういうものなんだ。」「神道は日本の宗教のひとつだが、仏教との共存共栄はどうして可能か。」など、かなり深い知識を必要とする質問をしてきたりします。
文化的なことに好奇心旺盛なイギリス人らしいな、と思いました。
そして、アニメやマンガ、音楽は若い世代の子達に特に人気のある日本のポップカルチャーです。
タイでも大学で日本語を専攻する学生が爆発的に増え、日本のCDばかりを売っているお店も登場しました。
日本の音楽が大好きで、大学で日本語と日本文化学を専攻したという学生も少なくありません。
事実、私の親友はそのままプロの通訳になりましたから、人生何がきっかけになり道が開けるのかは分かりません。
今や日本の音楽市場は、世界第二位を誇る大きなマーケットに成長し、海外からの評価も非常に高くなっています。
そしてJapanese ポップミュージックファンが口を揃えて言うのは、「日本の音楽には日本の文化がある」というのです。
言われてみれば昨今、日本のポップミュージック界で、桜を題材にした歌が数多くヒットしていますし、桜にちなんだ曲ばかりを収録したCDも販売されました。
平安貴族は散りゆく桜に自分たちの人生を重ね合わせて、その思いを和歌に詠っていましたが、現代日本ではミュージシャンたちが音楽にのせて歌っているわけです。
1000年の間、なぜ桜は日本人を魅了し続けるのか。
外国人にとっては、とても興味深いのだと思います。
フジファブリックの音楽には、特にそのような魅力があふれています。
惚れたはれただけではない、もっともっと奥の深いメッセージです。
四季の移ろいと世界で類を見ない日本の自然の美しさ、日本人独特の感性である諸行無常やもののあはれ、礼儀と現世のとらえ方。日本人の心が濃縮されているような気がするのです。
ぜひ世界中の方々に、この素晴らしいフジファブリックの音楽を聴いていただきたい。
そして彼らの音楽を通して、私たちが世界に誇る日本文化に触れていただきたいと願って止みません。
今日の一曲は、「ダンス2000」です。
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