Tuesday, 11 January 2011

水飴と綿飴 下吉田のお祭り

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日本はここ1週間ほどとても寒いと聞きましたが、皆様、いかがお過ごしですか。

小寒(1月6日頃)から節分(2月3日頃)までは「寒」と呼ばれ(「寒の入り」)、一年でもっとも寒い季節となりました。
山梨県甲府市は、最低気温がー5℃ぐらいですが、東部富士五湖(富士吉田市など)はー10℃まで冷え込んでいるそうです。最高気温も2,3℃ですから、いよいよ身が引き締まるような本格的な寒さが到来です。
昔から日本では、厳しい寒さは厳粛で清浄なものと特別視されており(古代神道の影響が大きいのと思われます)、寒に入って9日目の水を「寒九の水」といい、薬効著しいと尊ばれてきました。「一年で一番水が澄む日」「この日に汲んだ水は腐らない」といわれ、寒仕込みの清酒を作るための仕込み水としても使われます。

確かにキーンと耳の奥が痛くなる冷たい空気も、手の感覚がなくなる冷たい水も、全てを覆い隠す真っ白な雪も、穢れをはらう気がしますよね。

ふるさとから、初雪の便りが届くのももうすぐでしょう。

季節外れで非常に恐縮なのですが・・・今日は前回、前々回に引き続き「水飴と綿飴」です。
(「季節感を大切にする日本人」と自身のブログで言っておきながら、すみません。ぜひ赤道付近で書いているということに免じて、お許しください。)

山梨県富士吉田市下吉田。
フジファブリックの志村正彦くんが生まれ育った街ですが、ここではどんなお祭りがあるのでしょう。



まず、忘れてはならないのは下吉田5221番地にある「小室浅間神社」で毎年9月19日に行われる「例祭 流鏑馬(やぶさめ)祭り」です。
このやぶさめ祭りは、富士吉田市無形文化財に指定されています。

「神社に馬がいて、驚いた。」という、他県からいらっしゃったフジファブリックファンも、結構いるようです。

神道の祭儀としての役割がより重んじられているという点で、他のやぶさめ祭りとは異なるのが大きな特徴です。(9月1日の「初馬揃式」に始まる数々の前儀があります。奉仕者は「切火」という厳しい潔斎を1週間行い心身を清め、祭事に臨みます。)
馬の馳せた足跡をみて吉凶を占う「馬蹄占」も、大切な祭儀の一つです。


毎年やぶさめ祭りが終わると、氏子区域各町内に神職を招き、やぶさめ祭りでの「馬蹄占」の結果を元に祭儀を行います。
 
9月19日の例大祭町内各家庭は御祈願の後、一枚小さな紙垂を戴き、これからの一年間町内に火事や争い事などの災いが無く、無事に過ごせるよう祈願する行事が十一月初旬頃まで続きます

下吉田第一小学校では、運動会にやぶさめをテーマとしたプログラムがあり、児童が郷土の歴史を一生懸命学んでいることなどを考えても、非常に地域に密着したお祭りであることが分かります。


そして、9月19日のお祭りの日には多くの露店がたち並び、下吉田の子供たちの忘れられない楽しい日となるのです。






もう一つ、下吉田で行われる夏のお祭りと言えば、毎年7月最終日曜日の前の土曜日に行われる「富士吉田市制祭」です。(以前は7月25日と決まっていましたが、2002年から変更)
午後3時ごろから始まり、夜10時まで続きます。



青い部分の道は全て歩行者天国となり、ここでも多くの夜店が並びます。
小中学生によるブラスバンドや、幼稚園の園児たちの子供みこし、盆踊りなど、こちらも地元密着型のお祭りです。「市民夏祭り」という別称をもつこのお祭り、富士吉田市が主催しています。

昨年は市制60周年でしたので、市制祭も例年より盛り上がったのではないでしょうか。


私たちが子供時代もそうでしたが、地方都市の子供たちにとって、お祭りは一年の中でもとても楽しみにしているビッグイベントの一つです。
地元のお祭りを告げる花火(音だけの花火)があがると、「今日はどこでお祭りなの!?」と大人たちに聞いて早く宿題をすませ、うきうきしながら「そろそろ行こうか?」という祖父母や両親の声を待ったものです。

中高生になると友達と行きましたが、暗くなってから外に出るということがあまりない日常生活の中、親の許可を得て堂々と外出が許される近所の神社の祭りの晩は、ちょっと大人の気分になったものでした。
夜の闇の中で怪しく?光る夜店の灯り、人込み、大きな音(カラオケ大会が、神社のお祭りではお決まりでした)。いつもの街とはかけ離れた風景。
全てが魔法がかっているような夏の夜の祭り。
一歩横道に入ったときに、吹いてくる山からの涼風。

フジファブリックの「水飴と綿飴」は、そんな雰囲気をそのまま詰め込んだ曲です。

「水飴と綿飴」 お聴きください。


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