日本の皆様、紅葉の秋を満喫していらっしゃいますか。
行楽シーズン真っ盛りですね。
こちらタイでは10月23日に雨季明けし(日本のように気象庁が天気図を見て決めるのではなく、暦の上ですでに決まっているため、年によっては暦と実際の雨季明けが微妙にずれることも。今年は暦通りの雨季明けでした。)、仏僧が托鉢する姿がみられるようになりました。
雨季は、恵みの雨により多くの生命が自然界に生まれる季節とされ、仏様は僧たちが僧院から出て托鉢するのを禁じました。森を歩き回ることにより、生まれてきたばかりの小さな虫や植物の命を殺すことになるからです。
気候風土の異なる日本ではあまり馴染みのない仏法ですが、タイ人の生活には浸透しています。雨季の間だけ、仏門に入る人もいます。期間限定のお坊さん・尼さんです。
またこの期間に自分の好きなことを一つだけ我慢して(大抵、断酒!)、徳を積むというタイ人も多いです。
仏教が日常に溶け込んでいる国ならではの、季節の風物詩です。
季節はずれで恐縮ですが、今日はSurfer Kingに使われている日本語について、考えてみたいと思います。
まず、この曲で印象的なのが「メメメメメリケーン!!」の「メリケン」です。
メリケンは元々、「アメリカ」の音が訛ったものだといわれています。
年輩の方が小麦粉のことを「メリケン粉」と呼んでいるのを、聞いたことないでしょうか。
この言葉は、実際戦前まで使われていた言葉ですが、終戦後はめっきり使われなくなりました。
現在では、懐古的な用途に使われるだけです。
「American アメリカン」と「メリケン」、音をみてみると、かなり近いのがお分かりいただけますか。
アメリカ英語より、イギリス英語の発音の方が、さらに近いことが分かります。
志村君自身がFab Bookで言っているように、Surfer Kingの歌詞自体にあまり意味はないのだそうです。言葉遊び感が強い曲です。
曲を聴いて感じる気持ちよさ、面白さをそのまま表現した曲なので、リスナーも直感的に聴いてください、と言っています。
そうはいっても、この歌詞の世界観は志村君独特だと思います。
一昔前のアメリカ映画の一こまを観ているような、でも西洋っぽくなりすぎないちょっといぶし銀のような・・・?、昭和の香りがするような、この和製ウエスタンの加減が絶妙です。
体格のがっしりしたさらさら金髪、青い眼の外人さんが、サーフボード片手にのしのしと?浜辺を歩いていく姿が目に浮かびます。
これはこの曲の中に使われているカタカナ英語に由来しているものと思われます。
志村君は、「自分は日本人だしリスナーも日本人なんだから、日本語で一番思いが伝わるんだ。」という哲学があったので、英語を歌詞に乱用するようなことはしませんでした。
日本では明治時代からの舶来崇拝主義がいまだ尾を引いていますので、意味が通じて無くても英語でいうとちょっとカッコイイと日本人は思いがちです。
しかし志村君は、その安易な手を使いませんでした。
そんな小賢しい手で世間受けがよくたって、自分の言いたいことが伝わらなければ意味がないだろう、と思っていたのかもしれません。
そしてこのSurfer Kingに出てくる「英語が語源の単語」は、すべて日本に長年定着し、日本語に溶け込み使われてきたカタカナ英語のみです。
突然ヨークシャテリアが登場したり、遊び心あふれる歌詞に合わせて流れるあのメロディー。
これがフジファブリックワールドです!
1st、2ndアルバムの方がこの傾向が顕著にみられますが、このSurfer Kingはそういう言葉の観点からも味わい深い曲になっています。
フジファブリック Surfer King お聴きください。
2 comments:
ある英詞の日本人アーティストを聴いててふと思ったのですが、この歌詞の「メリケン」と「どうでもヨークシャテリア」って、どちらも日本人が英語を話すことのバカバカしさを揶揄してると思うんですよね。
発音と、単語の意味と文法的な意味で。
ヨットさん
コメントありがとうございます。
そうですね。
志村君自身も、「歌詞は、ホント意味ない。」と言っていましたしね。
「ノリ」で楽しむ曲の一つだと思います。
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