今日は、花火についてです。
フジファブリックの曲の背景を語る時、花火を忘れるわけにはいきません。
「線香花火」「打ち上げ花火」「若者のすべて」と花火の思い出からヒントをえて作られた(であろう)曲が何曲もあるからです。
タイにいると大きな行事ごとに(11月下旬の「ロイカトーン」という水神様のお祭り、12月5日のプミポン国王のお誕生日など)花火を目にしますが、日本人にとって花火は夏の季語以外にありえません。
古くは江戸時代、川開きの際に花火をあげたのが起源のようです。
夏の夜空を飾る花火は、それはそれは見事なものです。
円形の菊型や牡丹型が代表的なものですが、仕掛け花火といって夜空に山や滝、風車などを描き出すものもあります。
最近ではハート型のものまで出現して、花火大会でプロポーズの言葉をいう人も多いとか。
日本の花火職人が、数百年の時間をかけて培ってきた技術の集大成といえます。
また「手持ち花火」といって、手に持つタイプの花火(スーパーや小売店で購入可能)もあり、子供たちが庭先で興ずる姿は、やはり夏の風物詩です。
数千から数万発の花火を打ち上げる「花火大会」という催しが全国各地にあり、その数は200余りにのぼります。
私のふるさと山梨県にも、ひと夏に12,3ヶ所で花火大会がありますが、その中に「河口湖湖上祭」があります。
富士河口湖は、富士五湖(山梨県側にある、富士山の噴火によってできた5つの湖)の一つで、「逆さ富士」の見える湖としても有名です。
詳しくはこちらをどうぞ。
富士河口湖 総合観光情報サイト
今年は8月4,5日に行われました。
例年12万人の人が首都圏から集まり、1万発の花火を楽しみます。
この河口湖、ボーカル・ギターの志村正彦君の故郷、富士吉田市からほど近いところにあります。
車で数分程度でしょうか。
学生時代、志村君は河口湖によく遊びに行ったそうです。
そして、フジファブリックの曲の中でも名曲の誉れの高い「若者のすべて」が生まれました。
この曲は、志村君が湖上祭の花火を思って書いた曲です。
「最後の花火に今年もなったな」
富士北麓では短い夏が終わりを告げ、立秋の頃には(8月7日すぎ)朝夕涼風が吹き出します。
夜、暗くなってから外に出れば肌寒い空気を感じ、あちらこちらの草原で虫たちが鳴き始めます。
そして季節は足早に、秋へそして冬へと向かっていくのです。
常夏の国に住む人たちにとっては理解しがたい感情なので、野暮だとは思いますが、この「夏の終わりの物哀しさ」について、もう少し詳しく書きたいと思います。
春は生命の誕生の季節であり、夏はその生まれてきた命が全盛期を楽しむ季節であります。
植物も虫も動物も、夏の間はその命のもつ「勢い」を一番感じる時期なのです。
木の一生でいえば、「若木」の頃です。
ぐんぐんと栄養を吸い大きくなって、つやのいい幹には沢山の葉を茂らせ、生命力溢れています。
何にも負けないような「勢い」を、そばにいるだけで感じる気がします。
しかし秋になると、虫たちは短い恋の季節を終え、静かに死んで生きます。
落葉樹や草たちも、深く鮮やかだった緑色がだんだんと色褪せ乾燥し、しまいには茶色や枯れ草色になり冷たい風に吹かれています。
秋には、命の儚さ、寂しさを感じるのです。
もちろん「実りの秋」「読書の秋」「食欲の秋」など、いろいろな顔をもつ秋ですが、この「秋の寂しさ」は、日本人共通のものだと思います。
小泉八雲の名で知られるラフカディオ・ハーンの著作の中に、「虫の音楽家」という随筆があります。
夏から秋への情景が、虫たちを通してハーン独特の繊細なタッチで描かれている、見事な作品です。
もう少し詳しくお知りになりたい方、ぜひどうぞ。
日本の方にも外国の方にもお勧めできる作品です。
小泉八雲コレクション 虫の音楽家
そのような感情が、「最後の花火」を見ると自然にわいてくるのではないでしょうか。
また、子供たちは楽しい夏休みが終わり、もうすぐ新学期が始まります。
子供の頃のそんなちょっぴり寂しい気持ちも、思い出すのでしょうか。
そして、最後の最後の花火が終わった時、白煙の漂う夜空がやけに暗く広く見えて、がやがやと帰り道を急ぐ気の早い観客のざわめきと自分の寂しい感情が複雑に絡み合って、あんな気持ちになるのかな、と思います。
これはあくまで私個人の意見なので、「一般的な日本人の最後の花火を見たときの感情」とはいえないかもしれません。
一人ひとり聴き手の個人的な思い出も蘇り、自分を投影して聴いていらっしゃる方も多いことでしょう。
でも、多くの日本人がこの曲をきいて深い感銘を受けたということは事実です。
一流音楽家が集まって結成したBank Bandが、この曲をコピーし今年6月発売、そして先月7月のオリコンチャートアルバムランキングで、第6位を記録しました。
12万枚のCDが売れたということは、これ以上の数の日本人が「若者のすべて」を聴いたということです。
フジファブリックのファンとして嬉しい限りです。
でもね、皆さん、あれは元々フジファブリックの曲です!
「若者のすべて」を聴いて、ぜひ世界中の方々にも私達が受けた感動を感じていただけたらと、切に願ってやみません。
フジファブリック「若者のすべて」です。
どうぞ。
フジファブリックの曲の背景を語る時、花火を忘れるわけにはいきません。
「線香花火」「打ち上げ花火」「若者のすべて」と花火の思い出からヒントをえて作られた(であろう)曲が何曲もあるからです。
タイにいると大きな行事ごとに(11月下旬の「ロイカトーン」という水神様のお祭り、12月5日のプミポン国王のお誕生日など)花火を目にしますが、日本人にとって花火は夏の季語以外にありえません。
古くは江戸時代、川開きの際に花火をあげたのが起源のようです。
夏の夜空を飾る花火は、それはそれは見事なものです。
円形の菊型や牡丹型が代表的なものですが、仕掛け花火といって夜空に山や滝、風車などを描き出すものもあります。
最近ではハート型のものまで出現して、花火大会でプロポーズの言葉をいう人も多いとか。
日本の花火職人が、数百年の時間をかけて培ってきた技術の集大成といえます。
また「手持ち花火」といって、手に持つタイプの花火(スーパーや小売店で購入可能)もあり、子供たちが庭先で興ずる姿は、やはり夏の風物詩です。
数千から数万発の花火を打ち上げる「花火大会」という催しが全国各地にあり、その数は200余りにのぼります。
私のふるさと山梨県にも、ひと夏に12,3ヶ所で花火大会がありますが、その中に「河口湖湖上祭」があります。
富士河口湖は、富士五湖(山梨県側にある、富士山の噴火によってできた5つの湖)の一つで、「逆さ富士」の見える湖としても有名です。
詳しくはこちらをどうぞ。
富士河口湖 総合観光情報サイト
今年は8月4,5日に行われました。
例年12万人の人が首都圏から集まり、1万発の花火を楽しみます。
この河口湖、ボーカル・ギターの志村正彦君の故郷、富士吉田市からほど近いところにあります。
車で数分程度でしょうか。
学生時代、志村君は河口湖によく遊びに行ったそうです。
そして、フジファブリックの曲の中でも名曲の誉れの高い「若者のすべて」が生まれました。
この曲は、志村君が湖上祭の花火を思って書いた曲です。
「最後の花火に今年もなったな」
富士北麓では短い夏が終わりを告げ、立秋の頃には(8月7日すぎ)朝夕涼風が吹き出します。
夜、暗くなってから外に出れば肌寒い空気を感じ、あちらこちらの草原で虫たちが鳴き始めます。
そして季節は足早に、秋へそして冬へと向かっていくのです。
常夏の国に住む人たちにとっては理解しがたい感情なので、野暮だとは思いますが、この「夏の終わりの物哀しさ」について、もう少し詳しく書きたいと思います。
春は生命の誕生の季節であり、夏はその生まれてきた命が全盛期を楽しむ季節であります。
植物も虫も動物も、夏の間はその命のもつ「勢い」を一番感じる時期なのです。
木の一生でいえば、「若木」の頃です。
ぐんぐんと栄養を吸い大きくなって、つやのいい幹には沢山の葉を茂らせ、生命力溢れています。
何にも負けないような「勢い」を、そばにいるだけで感じる気がします。
しかし秋になると、虫たちは短い恋の季節を終え、静かに死んで生きます。
落葉樹や草たちも、深く鮮やかだった緑色がだんだんと色褪せ乾燥し、しまいには茶色や枯れ草色になり冷たい風に吹かれています。
秋には、命の儚さ、寂しさを感じるのです。
もちろん「実りの秋」「読書の秋」「食欲の秋」など、いろいろな顔をもつ秋ですが、この「秋の寂しさ」は、日本人共通のものだと思います。
小泉八雲の名で知られるラフカディオ・ハーンの著作の中に、「虫の音楽家」という随筆があります。
夏から秋への情景が、虫たちを通してハーン独特の繊細なタッチで描かれている、見事な作品です。
もう少し詳しくお知りになりたい方、ぜひどうぞ。
日本の方にも外国の方にもお勧めできる作品です。
小泉八雲コレクション 虫の音楽家
そのような感情が、「最後の花火」を見ると自然にわいてくるのではないでしょうか。
また、子供たちは楽しい夏休みが終わり、もうすぐ新学期が始まります。
子供の頃のそんなちょっぴり寂しい気持ちも、思い出すのでしょうか。
そして、最後の最後の花火が終わった時、白煙の漂う夜空がやけに暗く広く見えて、がやがやと帰り道を急ぐ気の早い観客のざわめきと自分の寂しい感情が複雑に絡み合って、あんな気持ちになるのかな、と思います。
これはあくまで私個人の意見なので、「一般的な日本人の最後の花火を見たときの感情」とはいえないかもしれません。
一人ひとり聴き手の個人的な思い出も蘇り、自分を投影して聴いていらっしゃる方も多いことでしょう。
でも、多くの日本人がこの曲をきいて深い感銘を受けたということは事実です。
一流音楽家が集まって結成したBank Bandが、この曲をコピーし今年6月発売、そして先月7月のオリコンチャートアルバムランキングで、第6位を記録しました。
12万枚のCDが売れたということは、これ以上の数の日本人が「若者のすべて」を聴いたということです。
フジファブリックのファンとして嬉しい限りです。
でもね、皆さん、あれは元々フジファブリックの曲です!
「若者のすべて」を聴いて、ぜひ世界中の方々にも私達が受けた感動を感じていただけたらと、切に願ってやみません。
フジファブリック「若者のすべて」です。
どうぞ。
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