Monday, 28 February 2011

Chronicle スウェーデンでのレコーディング

クリックすると新しいウィンドウで開きます

引き続き、4thアルバム「Chronicle」について。
2009年1月19日から2月12日まで行われた、スウェーデンでのレコーディングについて、ご紹介したいと思います。

まず、なぜそもそも日本のバンドがスウェーデンでレコーディングを行うことのなったのか。
「Chronicle」のCDに付属しているDVDの中で、「フジファブリックっぽくない、自分たちにない空気がある人達と仕事をしてみたい。フジファブリックにはドラマーがいないので、ドラム・プロデュース・レコーディング、その上日本にはない何か新しいインプットがあるかもしれないなんて、一石三鳥だと思った。」「アーティストと一緒に何かを共同で作ったのはフジファブリックにとって、初めての経験であった。」という趣旨のことを、志村君は言っています。

スウェーデンで一緒に仕事をしたのは、The Merrymakersというスウェーデン出身のデュオでした。その後、Anders HellgrenとDavid Myhrは2010年に解散し、今はそれぞれの道を歩んでいます。詳しくはこちらのホームページをどうぞ。The Merrymakers

あくまで私の推測ですが、フジファブリックと同じ事務所の先輩、Puffyが以前The Merrymakersと仕事をしたことがあり(2007年7月18日リリースの「Boom Boom Beat」、2008年8月6日リリースの「マイストーリー」はThe Merrymakersの作曲・編曲。最近リリースされたシングル、「Happy Birthday」もデビッド・マイアーの作曲。)、その関係もあって、フジファブリックにも他の外国ではなくスウェーデンでレコーディング、という機会が訪れたのではないでしょうか。



クリックすると新しいウィンドウで開きます以前の記事にも書きましたが、「Sugar!!」と「同じ月」の2曲以外はすべて、ストックホルム郊外にある「Monogram Recordings」というスタジオで録音されました。このこじんまりとしたThe Merrymakersの私有するスタジオでレコーディングをした、というのも大きな意味があったと、志村君は言っています。
「日本でももちろんレコーディングできるスタジオはあるけれど、技術的、設備的なことは別として、映画の一こまにあるようなヨーロッパの大地、街、建物、人、空気などに囲まれてレコーディングできた。そのおかげでこのアルバムでは、日本で録ったものとは違う雰囲気を出せたのではないか。」と。
15曲目の「Stockholm」はむこうで生まれた曲ですが、雪がしんしんと降り積もる、淡々とした北欧の白い静けさが、そのままパッケージされたようです。(「Stockholm」については、また後日)
「日本にはあまりない曲風だから。」という理由で却下にならなくて、本当によかったと思います。



クリックすると新しいウィンドウで開きます金沢ダイスケくんのお誕生日をお祝いするため、みんなでSKANSENという野外博物館へ訪れていますが(日本語のサイトを発見しましたので、もしよろしかったらご参照ください。ようこそ、スカンセンへ!)、スウェーデンは北欧三国の中でも素晴らしい文化をもった国のひとつです。
過酷な気候条件のもと(ストックホルムの冬の平均最高気温は1度、最低はー3度。東京の同時期の平均最高気温が10度、最低が2度と比べれば、大体予測がつきますね。ブルっ・・・)、生きてきた人々の蓄積された英知があります。

ストックホルム生まれストックホルム育ちのRicard Huxflux Nettermalmが、現地でサポートドラマーとして加わります。フジファブリックのメンバー全員大絶賛で、志村君は日本に連れて帰りたかったほどでした。(「東京、音楽、ロックンロール」参照)
Ricardの奏でるドラムは、体格のせいか(北欧人は本当に大きいですから)日本人には出せない音で、そうかといってアメリカっぽくもなく、やはりスウェーデン的だったと、志村君は回想しています。

言葉があまり通じない、仕事の勝手が違う、気候も人も食べ物も違うという環境にしばらくいると、日本では見えなかったものがみえてくるものです。
日本のいいところ、悪いところ、また外国のいいところ、悪いところ、そして自分のこと。



クリックすると新しいウィンドウで開きます大変な仕事を終えた後、志村君は、「いろんな国でフジファブリックがライブをするのも、夢物語ではないと思う。とても視野が広がり、有意義な旅だった。」と、言っていましたね。
音楽の世界のことは分かりませんが、多方面で若いアーティストたち(絵画、バレエ、演劇、ロックやクラシック音楽、等々)が育つイギリスのような土壌に移れば、志村くんだったらまた全然違う音楽を開花して、私たちに聴かせてくれたかな、と思います。

事実、「イタリア、フランスなどへ行って、そこでいろいろ吸収したい。」と、ご本人もDVDや日記の中で言っていましたから。

そんなやりきれない思いでいっぱいになる、4thアルバム「Chronicle」です。

今日の一曲は、「Anthem」です。

No comments: