2007年9月号のRockin' On JAPANを読んでいましたら、志村君が曲紹介より「フジファブリックとは、何だろう。」と語っている興味深い記事がありましたので、ご紹介致します。
2007年9月5日にリリースされた「パッション・フルーツ」に関するインタビューです。「Surfer King」と同様、「フェスやツアーで盛り上がる曲」を意識して書いた曲だそうですが、曲紹介の後、話はフジファブリックのオリジナリティーについて進んで行きます。
フジファブリックのオリジナリティー、アイデンティティー、いうなれば「フジファブリックらしさ」について。
インタビュアーさん(「FAB BOOK」の小松香里さん)がいう通り、確かにフジファブリックは年齢とか世代観などが全然結び付いていなくて、それがバンドの面白さになっていると思います。
クラシック、ジャズ、民謡、エスニック、70年代のUKロック、昭和の歌謡曲、ハードロック、古き良き日の少年合唱団、ゴスペルなど、フジファブリックの音楽には実に多くのエッセンスが入っていて、ざっと私に考えられるだけでもこれだけあります。
なぜこれほどいろいろな事に、挑戦するのか。
志村君は語ります。
「理想とするのは、もうイントロが始まっただけで『おお、フジファブリックだね。』みたいなもの。将来的にはそういうふうになりたいんです。普遍性のあるメロディーがちゃんとあるバンド。」
そこに行き着く為に、あえて音楽的チャレンジャーになり、いろいろなネタを試してみることにより、「一筋縄ではいかないバンド」を確立したいという思いがありました。
「どこにも属さない。」のではなく、「どこにも属せない。」。
フジファブリックは、決して型にハマらない。
「このバンドは、何をやるかわからないぞ。何かやってくれるぞ。」というのが魅力のバンドでありたいと、志村君は思っていました。
でもその立ち位置は、一見心地良い様に見えて、実はとても不安定であるともいえます。唯の「ゴチャゴチャバンド」になってしまう危険性もあるわけですが、志村君はそこを天性の才能と努力で、「フジファブリック」を見事に築き上げました。
彼自身「そこは不安なとこでもあるんですけど、ちゃんと追求していきたいと思う。」と言い続け、そのスタンスを崩すことなく、ずっとずっと最後まで貫き通しました。
5つのアルバムを見てみると、多くのことにチャレンジし、上手に「フジファブリック」色になっている。そして曲の奥底には「フジファブリック」独特の「何か」が、一本通っている。
簡単なように聞こえるけれど、それはそれは大変な苦労だったと思います。そしてその理想を現実にできた志村正彦君は、本当に立派でした。
「志村正彦展」では、きっとそんな彼の軌跡も見られるのかな、と思います。
残すところ、あと17日。
志村君が如何に頑張っていたのか、皆さんぜひ見に来て下さい。
今日の一曲は、「Taifu」です。
こんな曲を書ける人は、もう現われないと思います。
機械の事情で、You Tubeにリンクできませんが、ぜひお聴きになって「フジファブリックらしさ」を感じて見て下さい。
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