Friday, 1 April 2011

山梨県でも桜開花 桜の季節

クリックすると新しいウィンドウで開きます

今日から4月です。心も体も心機一転、新しい季節の到来です。
3月29日、山梨県甲府市では昨年より9日遅れて、桜(ソメイヨシノ)の開花が発表されました。
志村君のふるさと、富士吉田は甲府盆地よりも寒冷なので、季節の移り変わりが甲府と比べると少し遅いのですが、それでもあと1,2週間もすれば桜が満開になるでしょう。

また、桜の季節ですね。
志村君を知らない桜の季節。もう二度目となってしまいました。

以前記事にした「2011年 富士吉田市カレンダー」(記事はこちら)ですが、4月は美しい富士山と桜の写真です。手に入らなかった方、よろしかったらこちらからご覧ください。
2011年 富士吉田市カレンダー 販売終了のお知らせ



フジファブリックファンにはおなじみの忠霊塔(新倉山浅間公園)も、富士吉田市内で有名な桜の名所です。新倉山浅間公園 4月上旬から中旬にかけて、残雪が美しい富士をバックに500本ものソメイヨシノが咲き乱れます。「富士と桜」という構図に心引かれ、国内外から多くの観光客がバスで訪れます。
山梨県甲府市は水晶が有名なのですが、知り合いの水晶研磨職人の方が、「富士山、松、桜、五重塔、芸者を彫った水晶のペンダントヘッドを、以前はたくさんアメリカに輸出していた。」と言っていました。それほど外国人にとって、この取り合わせは日本を代表する美しい構図なのでしょう。

昨年私が訪れた時は、大型バスで東京の町田からいらっしゃった観光客と一緒になり、その賑わいに圧倒されました。新倉の普段の街の様子からは想像できないほど、花と人があふれる賑やかな春の季節です。

クリックすると新しいウィンドウで開きます
クリックすると新しいウィンドウで開きます
富士吉田の桜の名所といえば、富士見孝徳公園も有名です。富士見孝徳公園 忠霊塔の帰りにでも、いかがでしょうか。

そしてこの季節になると思い出されるフジファブリックのファーストシングル「桜の季節」に、今日はスポットをあててみたいと思います。


以前、「日本人と桜」を記事にしました。(2010年8月30日記事)「桜の季節」の歌詞世界を、外国人のファンにより深く理解してもらうために書いたものでしたが、今回は曲とその背景を見てみたいと思います。


2004年4月14日、「桜の季節」はフジファブリックのファーストシングル、四季盤の春として、発売されました。
ファーストアルバム「フジファブリック」のプロデューサー片寄さんは、ご自身のブログの中で「決してシングル向きの派手なメロディーを持つ曲ではないが、一見ぶっきらぼうな志村君の声で歌われると、とたんにクセになる不思議な魅力を持っていた」といっています。

私のブログにフランス人のファンが、「漫画のような魅力」という漫画好きの志村君が喜びそうなコメントを下さいました。漫画のように、鮮やかな情景が次々に目に浮かんでは消え、日本人の桜に対する心をさりげなく歌い上げている。的確な感想に、うなづいてしまいました。

東芝EMIでデビュー当時からフジファブリックを担当していたスタッフ、今村圭介さんによると、「桜の季節」の仮タイトルは「子犬のしつけ」だったと言っています(「Talking Rock!」2010年7月号)。
出だしの「桜の季節 過ぎたら♪」を、「子犬のしつけ 手伝え♪」と歌っていたと。
フジファブリックの場合、かなり適当に仮タイトルというものをつけていて、今村さんも「あまり深く考えないほうがいい」と言っていますが、リズム感とメロディーでそうなっていたらしいです。フジファブリック、奥が深いなぁ。
ただ、桜の曲にしたいという思いは早い段階からあったそうです。

フジファブリックらしいものでデビューしたいという強い思いが、「満開の桜を愛でるよりも、散りゆく桜に感じ入る」フジファブリック独特のせつなさ志向として表現されました。

クリックすると新しいウィンドウで開きます

桜は日本の国花とも言われる花です。花ときけば、日本人の多くは桜の花を思い浮かべます。
10世紀ごろから、桜は春の歌の重要なモチーフの一つとして、物語や和歌に登場するようになり、平安貴族たちは、美しく咲いたかと思えばほどなく散ってしまう桜の花に、自分たちの人生を重ね合わせました。
開花している時期が短く、咲いたと思ったら瞬く間に散り始めるソメイヨシノ。四季の移ろいに世の無常を感じる日本人は、桜の花の美しさだけでなくその散りゆく姿に、物悲しさや潔さを感じとったのです。

その心が現代若者の音楽、ロックでも唄われているということに、千年来の日本人の美意識が私たちの骨の髄まで溶け込んでいるんだな、と感じます。フジファブリックが叙情的といわれる由来は、この四季盤の影響が大きいと思います。そして、世界に誇る美しい日本の四季を、志村君独特の繊細な感性で歌いあげた、世界に誇る音楽となりました。

次回も、2004年のインタビューからいろいろと探っていきたいと思います。

今日の一曲は、もちろんこの曲。
「桜の季節」です。
こんなにいろいろなことがあった年にも、自然にこんなにひどいことをしてしまった年にも、桜は変わらず咲いてくれています。


4 comments:

kimamamama said...

こんにちは。
いつもありがとうございます。
近所の桜も咲き始めました。
日本は大変な状況ではありますが、春はやってきてくれました。
富士吉田市は桜と富士山の組み合わせが楽しめる夢のような場所がいっぱいありそうですね。いつか行ってみたいものです。

杉山麻衣 Jack Russell Terrier in Bangkok said...

kimamamama さん、いつも応援ありがとうございます。
日本はもう、春ですね。いつも変わらず私たちの生命を支えてくれる自然に、こんな時だからこそ心から感謝したいと思います。

いつかぜひ、富士吉田にいらっしゃって下さいね。その時には、私にご案内させてください。
忠霊塔からみる風景は、本当に「浮雲」そのものです。ゆるいカーブを描きながら裾野をのばす富士山、周りをたなびく雲、季節の花や木や鳥のさえずり。
絵に描いたような「日本」です。

こんな街に育った志村君だからこそ、あの曲が書けたのでしょうね。
志村君をあの地に誕生させてくださった神様、ありがとう。
そして生み育ててくださったご両親さまに、感謝です。

nana said...

ice blue normです。
「桜の季節」の元が「子犬のしつけ」だったとは。笑えました。フジファブリックの曲は最初から完璧だったように思えます。何度聞いても非の打ちどころがないというか、細かいところまでよく考えられているような気がします。
写真の富士山が浮世絵的でいいですね。

杉山麻衣 Jack Russell Terrier in Bangkok said...

ice blue norm さん、いつもコメントありがとうございます。

フジファブリックって、本当に奥が深いですよね。ちなみに仮タイトル、「ペダル」が「自転車泥棒」、「虹」が「なっちゃん」、「Surfer King」が「イオン」だったそうです(笑)。なんか志村君らしいひょうきんさが、でてるような・・・。

富士吉田で「自分のだけの桜と富士山スポット」を見つけるのも、乙な楽しみ方かもしれません。また、ぜひ写真つきで送ってくださいね。

よろしくお願い致します。