Monday, 30 August 2010

桜の季節



日本人にとって、桜という花は数ある花の中でも、特別な意味合いをもっています。

日本列島は南北に長いため、地域によって異なりますが、私のふるさと(山梨県)では大体4月上旬から5月上旬に、桜の季節を迎えます。


現代日本では、別れの3月(卒業、転勤、退職など)が終わり、4月に入ると新しい生活が始まります。
その季節に咲く桜は、「花咲く」イメージがあります。

熱帯地方の植物では、葉と花が一緒に見られることが普通ですが、日本では秋に落葉樹は葉を落としてしまうため、春になると葉の芽吹く前に、まず花が咲きます。
茶色の枝に咲く花の色が、可憐に映えてみえるのはそのせいでしょう。


古くは、平安時代(794~1192AD)から、満開の桜の下で昼夜を問わず、花見をするのが日本人の春の楽しみのひとつです。
また、桜は満開がすぎると一気に散ってしまうため、「儚さ」の象徴でもあります。
桜の花の散り方は、他の花とは違う趣があり、日本人の心の琴線にふれるのです。

春、陽射しが暖かくなっても、山から吹く風は、まだひんやりとしています。
そんな風の中、昨夜まで見事な花をつけていた桜の木は、ハラハラとうすピンク色の花びらを散らしていきます。
そして、一度散り始めると急ぐかのように、次から次へと花びらは散っていきます。

雨が降ったりすると、一夜で花が散ってしまうことも、珍しくありません。


「あんなに見事だった桜が、今朝は葉桜になってしまった。」
全てのものに華の時期があり、時は瞬く間に流れ、なくなっていく。

諸行無常を感じる桜です。

ぜひ、そんな桜の花を想像しながら、フジファブリックの名曲「桜の季節」をお聴きください。


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