朝からギラギラと太陽が照りつけ、最高気温40度、最低気温30度という熱帯の真夏!のはずが、なぜか毎日雨が降りお日様も出ず、こちらタイでも明らかに例年とは違う異常さを感じます。
そんな雨の合間を縫って、昨日はきれいな青空が広がりました。
もくもくした夏の入道雲ではなく、白色の薄い雲がきれいに線状に伸び、雨で空気中のほこりが落ちたためか、バンコクには珍しく空気も澄みわたっていました。
ツバメも飛んでいて(今から日本に渡るのでしょうか)、思わず日本の五月晴れを思い出しました。
今日の一曲、「ペダル」です。
ファンの皆さん、ひとりひとり曲に対する思いや受け止め方が違うと思うのですが、私はこの曲を聴くと、不思議と晴れた初夏の日を思い出します。
カラッと晴れた暑くも寒くもない日。空から地面まで吹きぬける、爽やかな風。
そして富士山の麓に広がる草地に向かって、上空を自転車が走っていく映像が、いつも頭に浮かびます。そしてその風にのって私も飛び立ち、胸いっぱいに空気を吸って自転車を追いかけていく。
そんな神秘的な気分にさせてくれる、好きな曲トップ5に入る曲です。
デビュー時からフジファブリックの製作を担当してきた、東芝EMIの今村圭介さんも、「自転車が空を横切っていくんじゃないかという気がする」とインタビューでおっしゃっていたので、同じような印象を受ける方が多いのかもしれません。(Talking Rock! 2010年7月号)ちなみに、いつも適当につけられていた仮タイトル。「ペダル」は「自転車泥棒」だったそうです。この仮タイトルは、他と比べてぴんときますよね。
今村さんは2009年12月、富士吉田で志村君と最後のお別れをした日、駅までの帰り道に歩きながら「Teenager」を聴き、完全に歌と街が同化したそうです。「ペダル」が流れると、「ペダル」をこいでいる自転車が空を横切っていくんじゃないかという気がして、現在と過去と未来が一緒にあるような、不思議な空間を感じさせると言っていました。
この曲を作詞作曲した志村正彦くんが、この曲に関してひとつだけこだわったことは、「ドラムのバスドラムのテンポを、僕が普段歩いている時と同じ速さにする」ということです(FAB BOOK)。
そのせいか、淡々とリズムが刻まれる中、次々と楽器が重なり合ってあの独特の盛り上がりに向かって曲は進んでいきます。
山梨日日新聞で沢登雄太記者が「Teenager」について書いている記事がありますが(2008年5月27日付け)、まさに「ペダル」には空を押し上げるような空気感が漂います。
私は当日のライブには行けませんでしたが、2008年5月31日に富士吉田・富士五湖文化センターで行われた「Teenager Fan Club Tour」山梨追加公演での「ペダル」を「Sugar!」のシングルCDについてくるDVD見て、とても印象に残っています。
臨場感を味わえますので、まだ見ていらっしゃらない方は、ぜひご覧になってみて下さい。
「大地讃頌」の後に富士山と忠霊塔が織り込まれた幕が開き、「ペダル」が流れます。
このライブについてはいろいろな方がレポートしていらっしゃいますが、いつもとは違う空気が漂い、幕の内側で緊張気味の志村君、淡々とサポートするメンバー3人。そして幕が開き「ペダル」と一緒にまるで上昇気流に乗ったように演奏をするフジファブリックの面々。
特別な「ペダル」です。
次回は、「Teenager」というアルバム、また歌詞について見てみたいと思います。
今日の一曲、「ペダル」。
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