This website is dedicated to the rock band group Fujifabric. I hope that through this site, as many people as possible will be able to discover their music and songs. This site offers an English translation of all their lyrics. In the posts on the blog, brief insights, which give some back ground and explanation to the many reference made in the lyrics to Japanese traditions, culture and life. Looking forward to feedback and comments! Enjoy!
Thursday, 2 December 2010
雪とフジファブリック
いよいよ師走になりました。
小雪(しょうせつ。11月22日頃)を過ぎ大雪(たいせつ。12月7日頃)を間近に控え、本格的な冬はもうすぐそこまで来ています。日本の山では雪が降り積もって眠る準備に入ります。また今の時期、人の住む平地では晴れた日の朝は寒く、雨が降っている朝は暖かいのが特徴です。逆に晴れた日の昼は暖かく、雨の日の昼は寒いのです。
「雨の朝は暖かく昼はそれほど暖かくない」という現象は、山梨県に限らず全国ほぼ共通の特徴です。
昨年は1月9日に甲府市で初雪が観測されましたが、いよいよ雪の季節到来です。
ヨーロッパは大寒波だそうで、パリ、ロンドンなどでも一日の最高気温が氷点下の日が一週間ほど続いております。ロンドンのように、一年を通してあまり雪の降らない地域でも、雪のため交通網が麻痺している様子。お気をつけください!
夏が暑かった年は冬が寒い、と昔から言いますから、今年の日本も例年より寒くなるのかもしれません。
世界一の豪雪地帯、本州日本海側を抱える日本。
雪というとカナダ、アメリカ、シベリアなどを思い浮かべる方も多いと思いますが、世界一の豪雪地帯は日本にあります。
シベリア上空に発生する寒気団(日本の国土の数倍もの大きさ)が作る密度の高い冷気が高気圧となり、日本の方角にある低気圧に向かって風が吹き出します。「強い」「冷たい」「乾燥している」という、三重苦?の風です。
この風が日本海を渡るとき、対馬海峡を流れる暖流から上がる水蒸気を含み、「強い」「冷たい」「湿った」風となり、日本列島の「背骨」の部分にある山脈にぶつかります。そして大雪を降らせるのです。
雪の多い日本では、雨と同様、雪を表す単語が豊富です。
前回取り上げました「黒服の人」の歌詞にもでてくる、牡丹雪。
牡丹雪とは、雪の結晶が多数くっつきあい比較的大きな雪片となり降る雪のことです。語源としては「牡丹の花びら(花の中でも花びらが大きい)が散るように降る雪だから」「ぼたぼた降る雪だから」と、言われています。
牡丹雪降ってくると、「これは積もるぞ~。」と大人が言うのを聞いて、大喜びした子供時代を思い出しました。比較的積もりやすく、湿り気の多い雪です。
雪合戦のための雪球や、かまくら作りには最適の雪質です。
このほか日本語には、細かくまばらに降る「細雪(ささめゆき)」、さらさらと細かく、風に舞い散る「粉雪」。両方とも湿り気のあまりない雪で、スキー場では歓迎される雪の種類です。
このほか、薄く降り積もる「帷子(かたびら)雪」、降っては溶けまた積もりを繰り返し、なかなか溶けない状態になる「根雪」。
「霙(みぞれ)」は、雪の結晶が完全に凍らず、半分雨のような雪のことです。
基本的に雨が凍ったのが雪ですから、空は雨が降るときと同様曇っています。今にも雪が降り出しそうに空がどんより暗くなることを、「雪暗れ(ゆきぐれ)」といいます。雪の降る前特有の空の暗さです。また、雪が降りながら日が暮れることを「雪暮れ」といいます。
「雪」の字源は「彗」に通じ、「地上のものをはいて除き、清める」という意味があります。「雪辱」という言葉にも、以前に被った恥をすすいできれいにする、という意味が含まれていますよ。日本人にとって、「雪」は清らかな存在なのです。
(参照文献 「言葉の風景」野呂希一 著)
4thアルバム、「Chronicle」の最後の曲、「Stockholm」でも雪が歌われています。
辺りを包み込む雪。
5thアルバム 「Music」の最初の曲、「 Music」にも雪がでてきます。
雪に限ったことではないのですが、初期の楽曲(特に四季盤など)と比べ、後期の楽曲では志村君が歌詞の中で表現する「自然」が、だんだん鮮明ではなくなってきていると個人的に思いました。それは彼の表現力が低下したためではなく、きっと自然の中で過ごせる時間が極端に減ったからでしょう。
志村君自身がどう考えていたのかは分かりませんが、田舎の豊富な自然の中で育った人たちにとって、自然の中に帰ることは、なによりも癒されるものです。何もしなくていいのです。
ただ、都会の喧騒から離れ、人込みから離れ、自然の空気、音、色の中で静かに過ごす時間が必要なのです。
彼のような天才詩人にとっては、凡人の私たちよりももっともっとそういう時間が必要だったでしょうに、超多忙なスケジュールをこなす日々。一人で一生懸命、闘っていたのでしょう。みんなのために、志村君、本当にどうもありがとう。
富士吉田も雪の季節を迎えます。
白い雪衣をまとった富士山を毎日眺めて、今は心穏やかに周りの山々に四季の移ろいを感じてくれていることでしょう。
雪に今までの苦労は全部祓い清め、幸せにすごしていてほしいと願っています。
そんな穏やかな日々の中作った新曲、志村正彦ファンとしてぜひ聴いてみたいです。
フジファブリック 黒服の人 前回に引き続き、お聴きください。
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