Tuesday, 14 June 2011

赤富士

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フジファブリックファンにはおなじみの「赤富士通信」。
ニューシングルやニューアルバム発売時に、お店や各地のライブ会場などで無料配布された、フジファブリック発行の小冊子です。
東芝EMIのフジファブリックホームページ内、「赤富士通信」にてご覧になれます。東芝EMI フジファブリック 赤富士通信

数々の面白企画があり、メンバーの素顔が垣間見える楽しい記事が多いので、まだご覧になっていない方、ぜひ一度ご覧になってみて下さい。

ところで、「赤富士」がどんなものか、皆さんご存知ですか。
朝日や夕日に赤く照らされた富士山が赤富士と思っている方が結構いらっしゃるのですが、実は様々な気象条件が偶然重なってできる、夏の絶景なのです。

上の写真をご覧ください。
いつもは青い富士山が、びっくりするぐらい赤いと思いませんか。
これが本物の「赤富士」です。

他の季節でも雪をかぶった富士山が、朝日や夕日に照らされ赤や桃色に見えることがありますが、あれは赤富士とは呼びません。
赤富士とは、夏の夜明けか夕暮れ時に三つの気象現象が立て続けに起こらないと、見られない珍しい現象なのです。

  1. 雨で山肌の赤みが増す
  2. 雨雲が完全に晴れる
  3. 太陽の光が差し込む

富士の大地は溶岩質ですので、雨水を含むと急激に赤みを増します。
雨水が蒸発する前に(大地が赤くなっている間に)、富士山を覆っている雨雲がはれる必要があります。そのためには、短時間の間に雲を吹き飛ばす適当な強さの風が吹かなければなりません。
元々富士山では、海から吹く風が海水の湿気を含み、富士山の山肌にあたるため雲が出やすい山です。今雨を降らせた雨雲が一気に晴れ、そこにちょうど朝日か夕日が差し込んでくる・・・。そこではじめて「赤富士」が見られるのです。

これだけの気象条件が、順を追って次から次へ起こるということはまれであり、起こったとしても5分ほどしか続かないこともあります。毎日富士山を見ている地元の人達でも、なかなか見ることはできませんし、「赤富士をみると縁起が良い」といわれる所以はそこにあるのでしょう。



赤富士といえば、葛飾北斎の「凱風快晴」(東京国立博物館 所蔵)の浮世絵を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。国内外で人気の一品ですね。

山梨出身の私たちは、この絵を見るとどうしても「春木屋」さんを思い出してしまいますが・・・。(山梨県下ではよく知られるお茶屋さん。富士吉田店は、月江寺駅のある通りにあるので、志村君も前を通ったことはあったと思います。春木屋さんのシンボルマークがこの浮世絵で、化粧箱の上や会社紹介の小さな紙に、描いてあります。)

話がそれましたが、山梨県立博物館(笛吹市御坂町)では、富士山を描いた浮世絵(葛飾北斎や歌川広重)がご覧になれます。常設展だけではなく、特別展で富士山にまつわる珍しい品々を展示することもありますので、山梨にお越しの際はぜひいらっしゃって見てください。

今日の一曲は、「茜色の夕日」。
夏の茜色の夕日が、赤富士をつくっていたんだね。


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