前回に引き続き、9thシングル「パッション・フルーツ」(3rdアルバム「Teenager」にも収録)。
今日は音楽についてみてみたいと思います。
まず、この曲の大きな魅力のひとつ、シタールの音色です。シタール(ヒンディー語:सितार、英語:Sitar)は、北インド発祥の弦楽器民族楽器の一つで、独特の音色が特徴です。
シタールという言葉の語源はペルシア語のセタール(سهتار :三弦)とされている。Wikipediaより引用。
伝統的なシタールは19弦で、棹は長さが約90cmで約20個の金属製のフレットが結びつけられている。フレットの上には約7本の金属製の演奏弦が張られており、左手の指で弦を押さえミンド(チョーキング)という奏法により1フレットにつき4-5度音をだす。右手につけたミズラブ(金属製の爪)で弦をはじいて演奏する(撥弦楽器)。フレットの下には約12-16本の共鳴弦が張られている。
共鳴胴は通常ヒョウタン、もしくはユウガオの実(カンピョウの原料)を乾燥させたもので作られる(カボチャや木製、まれに真鍮製のものも)。また胴体とは別に、棹の上部にも同サイズかやや小振りの共鳴器が付くが、これなども他の多くの撥弦楽器(リュート、ウード、ギターなど)とは異なる特徴と言える。
民族楽器ではありますが、60年代半ばからは、ヤードバーズのジミー・ペイジや、ビートルズのジョージ・ハリスン、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズらが使用したため、欧米のロックファンにもよく知られる楽器になりました。レッド・ツェッペリンも「イン・ザ・ライト」の中で(アルバム「フィジカル・グラフィティ」より)、シンセで奏でるシタール風の音を使い、当時のミュージック・シーンで注目されましたが、この音色を聞くと瞬時に「インド!」と連想するほど、印象的な音色を出す楽器です。
フジファブリック5thアルバム「Music」9曲目「Mirror」でも、シタールの音色が聞こえますね。民族音楽、ロック、ポップス、クラシック、ジャズ、テクノ、ラップなどありとあらゆるジャンルの音楽を聴いて楽しみ、研究していた志村君の使うシタールの音は、他のバンドに比べ、民族音楽に偏りすぎず(インド・パキスタン風すぎず)、良い塩梅でロックミュージックに溶け込んでいると思います。
ぜひレッド・ツェッペリンと、聞き比べてみてください。
4thアルバム「Chronicle」8曲目「Listen to the music」も南アジア風な音楽ですが、シタールが使われているかどうか不明です・・・。調べてみます。
志村君のいう「パキスタンの歌謡曲」の雰囲気は、このシタールが一つのキーポイントになっているのではないでしょうか。パキスタンでも北インド同様、民族音楽だけでなく、歌謡曲にも使われる楽器の一つだからです。
この曲でフジファブリックは、機械でやっていそうなところを全部楽器で生演奏するという点に、こだわりました。フジファブリック Teenager バンドスコアによると、リード・プレイは全てエレクトリック・シタールが担当しているそうです。
また、上段パートの演奏がないサビでは、シタール奏者がシンセのコード・プレイを臨時的に行うというイレギュラーなスタイルを用い、こちらもまた一人分異常の仕事をこなす。・・・シタールは、トレモロとスライド・バーでシンセ的なサウンドを出す場面があるので、こちらも原曲に近い音になるようあれこれ模索してみると面白いだろう。素人目にみても、とても大変そうですし、とても複雑なことをしてあの音楽が構成されているのがわかります 。(パーカッションの乾いた音も、生演奏です。)
「パッション・フルーツ」のPV(2007年8月12日撮影)を見ると、ギター担当の山内君が弾いていますが、思ったより大きい楽器で驚きました。
PVはメイキングと共に、フジファブリック SINGLES 2004-2009にセットで入ってくるDVD「2ndビデオ・クリップ集 FAB CLIPS 2」でご覧になれますので、よろしかったらどうぞ参考になさって下さい。
フジファブリックのキーボードの使い方には、いつも感動させられるのですが、「パッション・フルーツ」も例にもれず、ポップな音がシタールの音を和らげて、より現代ロックに近い感じに仕上げています。
では、今日の一曲「パッション・フルーツ」。
ライブ映像をどうぞ。アルバム収録曲とは違うアレンジになっていて、こちらも魅力的です。
PVはこちら。とてもフジファブリックらしいナンバーで、PVも志村君はじめメンバーみんなの衣裳が80年代っぽく、楽しいです。フジファブリック 「パッション・フルーツ」
2 comments:
Jack Russell さん、こんにちは^^
シタールというのですね、あの楽器は!
ありがとうございました。
多彩な楽器そしてそれらの使われ方もfujifabricの魅力のひとつでもありますね。
赤富士、絵や写真でしか見たことが無いのですが、実際見てみたいものです。
kimamamamaさん、いつもコメントありがとうございます。
「イン・ザ・ライト」は、kimamamamaさんもお好きでしたよね。
まったりしていて良い曲ですが、フジファブリックの音楽って、なにかを真似して取り入れた感じではなく、志村君の体の中に入っていって同化した後、もう一度生まれ出てくるような・・・。うまくいえないのですが、完全に志村君のものになってから使われる感じがすごいなぁ、といつも思います。
とってつけた感がないのは、本当にすごい。
一度、間近で富士山、見に来てくださいね。
埼玉からも、場所によっては富士山みえたような記憶があるのですが、おうちから見えますか。
赤富士は私達もみたことはないので、とっても珍しいのだと思います。
富士吉田は街を歩いていると、溶岩石があちらこちらにあって、「富士山と共にある町なんだな」と実感します。
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