Monday 26 August 2019

「FAB BOX Ⅲ 上映會」「志村正彦展 by 路地裏の僕たち」2019.07.06企画展レポート5

(前回より続き)

上映會当日の朝。

昨夜の雨の湿気を含むひんやりとした早朝の空気が心地よく、清々しい気分で御坂峠を運転していくと、富士見橋からみる富士山は、少しだけ頭を覗かせていました。新倉トンネルが出来たおかげで、甲府から富士吉田まで、45分程度で行けるようになりました。この10年で変わったことの一つです。志村君の知らないことがひとつふたつと増えていくのは、少し寂しいです。

市民会館に着くと8時の時点で、すでに会場駐車場にはファンの姿がありました。県外ナンバーも目立ちます。


路地裏の僕たちは8時半から、展示の最終チェック開始。

準備は完璧と思っていても、人員の配置、展示場所の変更など、直前になるといろいろなことがあるもので、あっという間に時間が過ぎていきます。

今回の企画展は、上映會のチケットが手に入らなかったファンの方々にも見て頂けるようにと、上映會入口と企画展入口を分けてくれました。

「何人ぐらいの方が来てくれるのかな。」
「待ち時間がどれぐらいになりそう?」

路地裏のみんなが話しています。

想像もつかぬ中、外を見てみれば・・・すでに長蛇の列!

上映會に並んでいるお客様だけでなく

企画展のために並んでくれているお客様も、大勢いらっしゃいます。


会場駐車場はみるみる満車になり、市民会館隣接の 駐車場までいっぱいになり、急遽、旧市立病院跡地を開放して、ご案内することになりました。
朝着いた時、駐車場に車が多いな―、人も多いなー、やっぱりファンの人達朝早くからすごいなーと思っていたら、実はこの日、デーモン閣下と岡本知高さんのライブ「悪魔の森の音楽会」のチケット発売日だったようで、並んでいる人もいました。富士五湖文化センター 路地裏メンバーも興味津々、チケット買おうかなーなんて話も出てました。「お前を蝋人形にしてやろうかー」byマシト隊長
「展示の準備が終わって、もう終わった気になっちゃったよ。」と、つとむ先生。すでにやり切った感に満たされていた路地裏の面々でしたが、開場時間になったため、企画展会場入り口に降りていきました。

大地讃頌を歌うのは恒例となっていますが、恥ずかしがり屋な路地裏メンバーは、建物の中で歌うつもりでしたが、展示会場では、並んでるファンの人に聞こえないということで、急遽外へ出ました。byマシト隊長
マシト隊長の呼びかけのもと、路地裏の僕たちの企画展前恒例行事、「大地讃頌」合唱がはじまります。

みんな携帯で動画撮ってるし、お恥ずかしいったらありゃしない。1番だけにしとけばよかったのに、2番まで歌ってしまって、長く感じました。やることすら知らないメンバーもいる中で、いつもどおりぶっつけ本番ですからね。うる覚えのなかで、何とかよく歌えたなーと。今度やる時は、ソプラノ、アルト担当がほしいので、ファンの人達も歌える人は一緒に歌いましょう!byマシト隊長

「大地讃頌、結構長いなぁ。」と隊長が、つぶやく場面も。
「ソプラノ~、女子~。誰か~。」
と呼ぶも、女子現れず・・・。同じく市内出身の長田さんは、
「大地讃頌、卒業式で歌ってないんで、よくわかりません。」とのこと。同じ市内の中学校でも、下吉田中学以外では、大地讃頌を歌わない中学校もあるということを初めて知りました。

さあ、いよいよ、はじまりです!

午前中は、上映會の午後の部を見るお客様や、企画展だけを楽しみにきて下さったお客様など、大勢の方がご来場くださいました。

路地裏の僕たちは午前と午後の部、二手に分かれて、上映會に参加させて頂きました。上映會の模様は、後日、改めて書かせて頂きます。

この日は特別にお昼の12時にも、「若者のすべて」がチャイム音で流れました。だいぞーさんが「やりますよー」と声かけしてくれました。

上映會の音と映像の余韻に浸り、胸がいっぱいでしたが昼食をとり、企画展会場に戻って外を見ると・・・、まだまだ長蛇の列!

余りお待たせしては申し訳ないとだいぞーさんとカズ君が相談し、急遽、山梨日日新聞に掲載された過去の記事「ときめきゾーン 芸能 フジファブリック 志村正彦 『富士』に還る」 (2010年6月22日から7月13日まで全4回連載)のコピーを並んでいるお客様に配り、待っている間に読んで頂くことにしました。カズ君いわく「回覧板方式」!9年前の記事ですが、まったく色褪せない素晴らしい内容の記事です。

数名のファンの方とお話させて頂きましたが、札幌、青森、埼玉、静岡、鹿児島、佐賀、福岡、熊本と日本全国、遠いところから山梨へ来て下さっていました。「有難いね。」と、路地裏のみんなで話をしました。


この日は、隣接している市立図書館でも、フジファブリックの音楽を流してくれたり、急遽、モニターに志村正彦君の写真のスライドショーを流したりしてくれました。



企画展会場出口では、河口湖湖上祭花火大会プロジェクトの協力金を募りました。(詳しくは、こちらの記事をご覧ください。2019年8月5日 「河口湖湖上祭花火大会 協力金のご報告」


志村正彦展に来て下さったファンの皆様へ、路地裏の僕たちから心ばかりの返礼として、志村君のポストカード(2009年10月23日 新宿厚生年金会館)、下吉田てくてくMAP 志村正彦編 2019年7月版 by MIUさん、湖上祭の冊子、富士吉田滞在中にお役立て下さるようにと富士吉田市のガイドマップ、吉田のうどんマップなどをお渡ししました。

ご来場いただいたファンの皆様には、「FAB BOX Ⅲ上映會」特別記念として、和紙バージョンのてくてくMAPをお渡しするつもりでしたのに、ちょっとした手違いから、何人かの方々に、白いコピー用紙に印刷した通常版のてくてくMAPをお配りしてしまいました。

申し訳ありませんでした。

午後の部の後半、私は出口で協力金を募っていましたが、ファンの方々が目に涙をためながら「企画展を開いてくれて、ありがとうございました。花火がんばって下さい。」と路地裏のみんなに声をかけて下さいました。

志村君が、フジファブリックの音楽が、今でも変わらず大勢の人に愛されていること。
昔からのファンに加え、この10年でもっともっとファンが増えていること。
志村君がいない今、富士吉田でそれに少しでも応えることができないかという、マシト隊長と路地裏の僕たちメンバーの気持ち。

それを毎回感じます。

「『若者のすべて』は、湖上祭の花火がモデルになっているのではないか。」と想像していた路地裏のメンバー達は、「若者のすべて」を湖上祭で流し、花火を打ち上げることで、志村君にみんなの思いを届けたいと思っていましたが、それがいよいよ現実になります。

外がだんだん薄暗くなり、夕方6時のチャイムの時間になりました。

建物の中で聴いたチャイムは、廊下の窓が開いていたせいか、鐘の音がカンカンカーンと一階の図書館から吹き抜けを通してよく響き、思っていたよりも大きな音で聞こえてきました。チャイムを聴きながら、初めて「若者のすべて」を聴いた時のことを、懐かしく思い出しました。フジファブリックとの出会いは「陽炎」でしたが、その後、「若者のすべて」を聴いて、情緒豊かな歌詞とメロディー、それと相反するように淡々と歌う志村君の声に、しゃくりあげて泣きました。音楽にここまで心動かされたのは、生まれて初めてでした。

あの時は、自分のふるさとに流れる夕方5時のチャイムを頭で描いていて涙したけれど、「若者のすべて」のメロディーが志村君のふるさと、富士吉田の夕方のチャイムになり、それを全国から集まったファンと志村君の同級生と聴ける日がくるなんて、なんという幸福でしょうか。志村君も自分の作った曲がチャイムになり、きっと誇らしく思っていることでしょう。


6時15分に最終のお客様をお迎えして、7時にはすべての展示品を撤収するという指示が、kazzさんからまわってきました。忙しい一日だったけれど、終わってしまうと思うと、急に寂しくなってきます。

大成功でこのまま終わって欲しい気持ち半分、このままかけがえのない時間が続いて欲しい気持ち半分。

最後のお客様がお帰りになると、一気に展示品の撤収です。しとしとと雨が降り出し、展示品を車に積み込む頃には結構な大降りになっていました。大切な品々が濡れると困ると憂慮しましたが、志村君の大きな写真は防水シートにくるまれ、雨に濡れずにすー君と共に志村家に帰宅。ほかの展示品も、路地裏のみんなの手によって濡れることなく、お家に帰って行きました。


今回の企画展も、無事終えることができました。
全国から足を運んでくださったファンの皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。ご来場いただいた皆様の良き思い出として、心に残ってくれましたら幸いです。

5回にわたり書いてきました企画展レポートも、これで終わりです。お読み頂きありがとうございました。

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