Tuesday, 20 March 2012

シングル全11曲 歌詞の英訳  終了!



フジファブリック シングル 2004-2009 全11曲、歌詞の英訳が終了致しました。(「銀河」「蒼い鳥」「パッション・フルーツ」を、アップしました)
予定よりも大幅に遅れてしまいましたが、やっとひとつの山を越えた気分です。

昨年12月に開催された「志村正彦展」ではたくさんの方とのご縁に恵まれ、ファンの方々と直接お話させていただく機会も多かったのですが、一番多く訊かれた質問が歌詞の英訳に関するものでした。

「英訳の際、どのような点に気をつけていますか。」
「一番苦労する点は、なんですか。」
「外国人が英訳された歌詞を読んだとき、日本人の私たちが読んだものと同じような印象を抱くものですか。」
「ほかの英訳と比べて、フジファブリックの歌詞の英訳は難しいですか。」

などなど。



今日は「祝 シングル曲 歌詞英訳 完」の気持ちもこめて、歌詞を英訳する際に個人的に感じたことを書きたいと思います。

まず始めにお断りしておきたいことは、私はプロの翻訳家ではないということです。

このブログをご覧になっている多くのファンの方々と同様、フジファブリックと志村正彦さんが大好きで、「この素晴らしい音楽のお返しに、私は志村君に何ができるだろう。」と考え、思いついたのが歌詞の英訳でした。
ただそこには一つの大きな壁がありました。
私の母国語は日本語なので、英語を母国語とする人達が見たときに、果たしてそれが自然な英語であるかどうか。きちんと対訳になっているのか。自信がありませんでした。
幸いにも高校時代からの親友が、英語、フランス語、日本語を扱うプロの翻訳家として活動していて、監修してくれることとなり実現致しました。

いろいろな方とのご縁でこの英訳は可能になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。

趣味の域を超えないものですが、私が手がけたフジファブリックの歌詞の英訳を含めて、このブログ内にあるものすべてを、志村正彦さんに捧げます。

志村君にして頂いたことに比べれば、その万分の一にもなりませんが、英語を解する外国人がフジファブリックの素晴らしい世界をより深く理解し、もっともっと多くの人達に志村君の遺してくれたものが伝わっていってくれればと、心から願っております。

さて、よく訊かれる質問について。


Q.「英訳の際、気をつけていることはなんですか」

「できるだけ忠実に、元の歌詞を翻訳すること」に尽きます。
翻訳する側が意訳しすぎるのは、フジファブリックの歌詞の場合、とても危険です。映画のせりふを翻訳するのとは違いますので、物語の前後や文脈から理解した自分なりの考えを投影し、自分の想像に沿って翻訳をすると「私の考える歌詞」になってしまうのです。

志村君は「聴き手によって、自分なりの歌詞の捉え方ができるように。」と、あえて限定的な言葉の使用を避けていました。ここにフジファブリックの歌詞の魅力があるからこそ、それを壊しては志村君の思いに反してしまいます。

ただ・・・この作業は非常に難しいです。
思ったよりもとっても困難なことでした。まず志村君は天才でしたから、凡才の私には思いも及ばない箇所が多々あり、どういう思いで書いたのかと本気で本人に訊きたいときがあります。
それは叶いませんから、自分なりに「柔軟な捉え方をできる」単語をできるだけ選びます。

もうひとつ、「銀河」などにも出来てくる擬音語、擬態語(オノマトペ)です。これはフジファブリック独特の魅力ですから、単語選びには監修の親友と二人で、熟慮に熟慮を重ねます。

Q.「一番苦労する点はなんですか」

これは前の質問の答えと重複しますが、「聴き手に、自分なりの歌詞の捉え方をしてもらう」ような翻訳をするという点に、一番苦労します。
どうしても私自身の経験や思い出を通して、歌詞の語る状況を想像します。それは当然のことで、普通に聞いている分にはなんら問題はありませんが、過剰な想像力は翻訳の作業の妨げになり、独りよがりの歌詞の解釈につながっていきます。

翻訳するときは、できるだけ志村君の書いている歌詞にでてくる単語に忠実に。私の考える曲の文化的背景などは、ブログの記事として書いています。



Q.「外国人が英訳された歌詞を読んだとき、日本人の私たちが読んだものと同じような印象を抱くものですか。」

どうでしょうか。
正直なところ、私もよくわかりません。

ただ「夕日を見ると、郷愁の念にかられる」「夏の終わりの花火を見た後の、なんともいえない寂しさ」は、日本人独特の感覚なので、よほど日本文化への造詣が深くない限り、なかなか歌詞を読んだだけでは伝わらないと思います。
ブログの記事では、そのようなフジファブリックの歌詞に出てくる日本文化独特の感覚を、説明しています。特に四季盤など季節感溢れる曲の数々は、日本人独特の感性が盛り込まれているため、季節のはっきりしない国の人達には伝わりにくいと思います。

Q.「ほかの英訳と比べて、フジファブリックの歌詞の英訳は難しいですか。」

はい、とっても難しいです(笑)。
私が今まで英訳した文書の中で、トップ3に入ります。
詩の翻訳は元来難しいものなのですが、天才志村正彦の書く歌詞は、謎に満ちている箇所も多く、言葉遊びなどを含め、翻訳は困難を極めます。
でもその作業はとても充実していて、なによりも
「このブログのおかげで、フジファブリックの歌詞の魅力を理解できた」
「フジファブリックが大好きになりました」
と外国の方に言っていただく時ほど、嬉しいことはありません。

今から世界が志村君の価値に気付くと、私は信じています。


今日は私事ばかりの記事になってしまって、ちょっと反省しています。

ツイッターで映画「モテキ」が、アメリカ・ニューヨークで公開されるという情報をみました。詳細は不明ですが、「Love Strikes!」という題名になるそうです。確かに外国人にとって、「Moteki」よりはキャッチーかもしれません。(情報提供して下さったKさん、ありがとうございました)

オープニングテーマ曲「夜明けのビート」とフジファブリックも、注目されるようになること必然です!翻訳、がんばらなくては・・・。

富士山の麓から 世界へ響け!フジファブリック!!

今日の一曲は、「夜明けのビート」です。こうしてこれからも、志村正彦君のファンは増え続けていくのです。

Thursday, 15 March 2012

山梨桃・桜開花情報


一雨ごとに、春めいてくる季節となりました。
長い冬が終わり、春のそよ風の中で眺める花々には、特別な思いがあります。

昨年は、「志村正彦展」が開催されたこともあり、冬の富士吉田にいらっしゃったファンも多かったと思いますが、富士山麓固有の桜「フジザクラ」が咲き乱れる季節も、独特の味わいがありますので、今日はご紹介したいと思います。

昨年も記事としてとりあげましたが(2011年5月5日)、「フジザクラ」は山梨県の県花であり、富士吉田市の市花でもあります。それほど山梨県民にとっては特別な花です。
可憐な花で、花弁の素朴な色と花形にその魅力があふれています。

毎年4月中旬頃に見頃を迎えますが、今年は雪が多かったせいで全国的に桜の開花が例年より遅くなるといわれています。
もし桜の見頃に合わせて富士吉田への小旅行を計画なさっていたら、こちらのサイトが便利ですので、ご利用下さい。

2012桃・桜開花情報 富士の国やまなし観光ネット 山梨県公式観光情報

富士吉田市に限らず、近隣地域、また山梨県全域の桜開花情報を紹介してくれる他、桃の開花情報も見られます。
山梨県は日本一の桃の産地ですので、春になると甲府盆地はピンクのじゅうたんを敷き詰めたようになります。

「ソメイヨシノよりも1週間ほど後に桃は開花する」というのが、山梨県民の「常識」(?)なのですが、最近は温暖化のせいか、ほぼ同時に咲くことも多いです。

富士吉田から車で30分程で、桃の花も楽しめます。

ちょうど時期が合えば、フジザクラ、ソメイヨシノ、桃の花を同時に見られて、山梨花三昧の旅が出来るかもしれません!

新倉山浅間神社(忠霊塔)の桜は、毎年見事です。
「富士山」「桜」「五重塔」の組み合わせは、日本人でも心を揺さぶられます。
今年の特別寒かった冬の後だからこそ、桜の美しさも特別でしょうね。一度いらしてみてください。

今日の一曲は、「花」です。
「つぼみ開こうか迷う花」「花のように儚くて色褪せてゆく」
富士吉田の「花」をみて、ぜひ志村君が伝えたかった何かを、肌で感じてみてください。


Friday, 9 March 2012

Cactus Record (Translation of the post on 29th Feb 2012)



Hello, everyone!
It's been quite some time since the last post was up.
It is almost reaching the mid-summer in Thailand, which is the hottest time of the year. Beautiful Bougainvillea flowers, the sound of cicadas, mangos and durians in market... Summer heat is here now in Bangkok!



Today's song is 'Cactus Record', the 8th song in Fujifabric's first album, "Fujifabric".
This is one of my favourite songs of all, and I still remember  this song stroke me so much when I heard it for the first time.
The song reminds us old times...



As I am not a music profession, it is probably more like 'feeling' rather than consolidated fact, but the sound of key boards - the piano and the organ - make us feel 'old days'.

This type of the sound? is also used in 'Kagero' (' The Shimmer of Heat') so effectively, and a great skill must be required to make the sound pleasant without boredom and disgust.

In the book, 'FAB BOOK' (available in Amazon Japan), Shimura-kun says, "I was pleased with the main melody, so I was concerned with how the music should be led towards the main part.". The rhythm gradually gets faster and faster towards the main melody, and it becomes 'jimping beat' (Shimura explains in the band score).
After that, the rhythm goes back to the normal calm 8 beat, exactly like "tick-tick-tuck".
The way of returning to the original rhythm is so Fujifabric-like. It flows back so naturally.



Thanks to the effect of 'tick-tick-tuck' rhythm and 'jumping beat', the lyrics makes us imagine the scene clearly at the last part.

Even I am a layman in music, 'Cactus Record' is that kind of music which gives such an impression to me.

Because Shimura-kun always avoided to use the words which fix the meaning and the scene in the lyrics in order to allow each listener to understand the song in his/her own way, I refuse to do so, too. It is not my intention to force my interpretation of the lyrics to Fujifabric fans abroad, but please allow me to add an explanatory note here - that is, there are many words used here and there in the lyrics of 'Cactus Record' which imply foreign atmosphere of old days.

First of all, the title of the song, 'Cactus Record'.

Cactus was brought into Japan in the late 16th century from America continent by European people. As it is not indigenous plant, Japanese people feel 'foreign' even now.

Same as above, the words, 'record', 'clock', 'bossanova', 'jazz', 'jigsaw puzzle' also make Japanese feel 'old' 'foreign' much.

Today's song is 'Cactus Record'.
Please enjoy!!


Wednesday, 29 February 2012

サボテンレコード


皆様、ご無沙汰しております。

諸事雑用に追われる人間など関係なく、季節はどんどん過ぎていき、バンコクは一年で一番暑い真夏を迎えようとしています。
三日前、庭に咲き乱れるブーゲンビリアの木の下で、今年初めてのセミが鳴きました。日本のセミとは違い、タイのセミは日の高いうちはなりを潜め、朝日が昇る頃と火が沈む頃にだけ鳴きます。熱帯の華やかなイメージとは異なり、日本のセミよりひとまわり小さな体で、ひっそりしっとりと鳴きます。
「小さなセミ・薄明かり・ブーゲンビリア」が、私の中でタイの真夏のイメージになりました。

山梨は今朝、雪が降っていました。
結構積もったそうですが、立春を過ぎて降る雪はもう春の雪でしょうか。午後になると、もう溶け始めてきたようです。
明日から3月。春の足音がきこえます。

さて、久しぶりにフジファブリックの曲紹介と致しましょう。



今日の一曲は「サボテンレコード」。

私の大好きな曲のひとつです。
最初に聞いた時の衝撃は、今も忘れません。

なんといっても、フジファブリックは好きな曲を選ぶのが本当に難しい!
季節や気分によって好きな曲が変わるのは珍しくないのでしょうが、B面を含め、どの曲をとっても甲乙つけ難いため、「一番好きな曲」を選ぶのは非常に難しく、結局皆「好きな曲」になってしまう不思議なバンド、フジファブリック。

その中でも大好きな一曲です。
なんともセピアな雰囲気に包まれています。

フジファブリック独特のキーボードサウンドが光り、静かに聞こえてくるピアノとオルガンの音が、曲全体にまるでセピア色のスプレーをかけたように仕上がっていると思います。

「陽炎」でもなんともいえないセピアな雰囲気を醸し出すこのピアノとオルガンの音ですが、ダサくならず効果的に使うのは、きっと技術がいるのでしょうね。


FAB BOOKの中で、志村君は「サビのメロディは気に入ってて、そこにどうもっていくかっていうことで悩んでました」とコメントしていますが、サビにむかってだんだんリズムが早くなり、サビで「ハネハネビート」(Fujifabricバンドスコア、志村君解説)になります。
その後、歌詞の中にある時計の「チクチク タク」のような落ち着いた8ビートに戻る。
その戻り方がいかにもフジらしく、フジファブリックの魅力溢れるリズムと流れになっていると思います。

「サボテン持って レコード持って 
やりかけだったパズルは捨て
車に乗って 夕日に沿って
知る人もいないとこに着くまで」

最後にくるこのパートで歌詞の情景が鮮やかに目に浮かぶのも、「チクチク タク」と「ハネハネビート」の効果だからなのでしょうか。

私は音楽の専門家ではないので偉そうなことはいえませんが、素人にもこのように思わせる名曲です。

歌詞についての詳しい解説や感想は、志村君の望む歌詞の柔軟性(聴き手によって、想像をふくらませ、どのようにもとらえることができるよう、志村君は意図的に限定的な言葉を避けていた)を妨げるので避けたいと思いますが、外国にいるファンのために一つだけ注釈をさせて下さい。

それは歌詞の中に、日本人にとってセピアな外国の雰囲気を感じさせる単語が散りばめられているということです。



まず曲名の「サボテンレコード」。

サボテンは原産が南北アメリカ大陸であり、日本には16世紀後半頃に南蛮人によって持ち込まれたといわれています。もともと日本土着の植物ではないためか、今でも「異国」の香りのする植物の一つです。
日本では主に観賞用として売られています。(タイを含め、諸外国では、紐サボテン属の果実、ドラゴンフルーツが時期になるとスーパーなどでも出回るため、サボテン=観賞用+食用と考える人も多いのです)



「レコード」は、音楽の販売される媒体として非常にポピュラーでしたが、CDやMP3にとってかわられた今では、レトロなものとなってしまいました。こちらも「外国」からきた古いものです。

そして「時計」。
チクチク タク チクチク タク と音がするものは、デジタル時計が流通する今、やはり異国から来た昔の音ではないでしょうか。

「ステレオのスウィッチ 
入れて 30年遡り かけた音楽」

流れてきたのは、ボサノバ、ジャズと外国の音楽ばかりです。

「今夜 荷物まとめて あなたを連れて行こう」
その時に・・・
「サボテン持って レコード持って
やりかけだったパズルは捨て」ていきます。

日本では、「パズル」というと多くの場合、「ジグソーパズル」のことを意味します。
ジグソーパズルのジグソーは、英語のjigsaw(糸鋸)から由来しています。元々ジグソーパズルは木の板を糸鋸で切って作られていたために、この名前が付いたといわれ、1760年頃、イギリスで作られました。

近年、日本製のジグソーパズルも増えていて、日本のアニメや風景が絵柄のものなども登場し、日本でも年齢を問わず広く遊ばれる玩具となりましたが、一昔前までは輸入品が主でした。そのため、今でも「外国」のイメージが伴います。

これらの単語が絶妙のタイミングと適当な数で、ちょこちょこと歌詞に出てきては、ピアノやオルガンの音にのってセピア色の曲を作り上げています。

次回は、フジフジ富士Qで片寄さんの歌った「サボテンレコード」、そして1stアルバム「Fujifabric」について詳しくみてみたいと思います。

フジファブリック 「サボテンレコード」お聴き下さい。

Friday, 10 February 2012

2012年 愛染厄除け地蔵尊祭 追加記事


昨日の記事に、少し追加です。

無尽会で行く旅行について。
富士吉田に限らず、山梨では若い頃から(20歳ぐらいから)無尽会に所属し、毎月旅行のために積み立てをすることがよくあります。厄年の人達、特に60歳の厄年を迎えた人達に人気の行き先は、「伊勢神宮」だそうです。
江戸時代の「お伊勢参り」にルーツがありそうな、なさそうな・・・。
今年は20年に一度の式年遷宮ですから、今年、無尽会で伊勢にいらっしゃる方たち、うらやましい!

もうひとつ。
富士吉田の中でも、昔からの地区(明見など)では、厄除けのお祭りを新しい地区よりも、盛大に行います。
昼間も賑やかに、今年厄年を迎える人達がおみこしを担いで街をねり歩きます。

また、地元の子供たち(中学生以上かな・・・)にとって、夜に行われる厄地蔵さんのお祭りは、親公認で堂々と、夜遅くに外出できる絶好の機会でもあります。このワクワク感、言葉で伝えるのが難しいのですが、子供心にとても楽しみな行事です。


最後にもうひとつ。
吉田の街でスーパーに行くと、「愛染うどん」といううどんをよく見かけます。(こちらのホームページ参照 吉田のうどん)
吉田の街には、「愛染商店」「愛染通り」など「愛染」という言葉がついた名称をよく見かけます。「愛染」という呼称の来歴は不詳ですが、地元の人達には親しみのある名前です。


一年で一番寒さが厳しい季節ですが、富士吉田の街に活気が溢れる2日間です。

もし冬の富士吉田を訪れる計画がありましたら、昔ながらのお祭りが味わえる2月13、14日はいかがですか。街角で、きっといろいろなお話がきけることでしょう。



いつもの街並が暗闇に包まれ、なんとなく怪しげな雰囲気。いつもだったらとっくに寝ている時間、外にいる。こんな時間に外に出ていて、とても興奮している反面、なんかちょっと悪いことをしているような変な気分。しばらく歩いていくと、前方の暗闇の中に、ぼんやりと夜店の明かりが見えてくる・・・。

今日の一曲は、「水飴と綿飴」です。

Wednesday, 8 February 2012

2012年 愛染厄除け地蔵尊祭


今夜からまた冷え込む予報となっていますが、皆様いかがお過ごしですか。九州や関西でも厳しい寒さに見舞われ、インフルエンザが蔓延しているとききます。くれぐれもお体大事になさって下さい。

さて、今年も富士吉田市下吉田にある愛染地蔵さん(「あいぜんじぞう」とよみます)厄除け祭りの季節となりました。

昨年も記事に書きましたが(愛染厄除け地蔵尊祭 2011年2月11日付ブログ記事)、今年はもう少し地域に密着し、詳しくご紹介したいと思います。

厄年とは、災難にあったり健康を害したりするおそれが多いので、注意しなければならないとされる年齢です。一般的には数え年(元日から誕生日前日までは、実年齢+2、それ以降は+1)で、男性は25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳です。男性の42歳、女性の33歳は特に悪い歳とされ、「大厄」とよばれます。


平安時代にはすでに存在し、起源は陰陽道だという説もありますが、定かではありません。
迷信と言ってしまえばそれまでですが、これらの年齢が実際に健康上、仕事上の転機に当たることも多いため、(例えば昔の女性は、19歳前後で初めてのお産を経験するなど)、今でも日本中で根強く信じられている風習です。

この時期、山梨県では甲府市も含め、県内全域で厄除けの行事が行われます。地方色豊かな行事で、地域によって微妙に異なりますが、今日は富士吉田下吉田界隈での厄除けの行事をご紹介致します。

富士吉田では女性の厄年に特徴があり、19歳、33歳、は一般的なものと同様ですが、37歳はせず、代わりに60歳に最後の厄除けをします。本厄前後の前厄、後厄もいれると、3年の間厄除けをすることになります。一生涯に9年間、厄除けをするという計算になりますね。

厄年の人がいる家は、みかん、駄菓子(ポテトチップやあめなど)、豆、年齢と同じだけのお金(19歳だったら19円。42歳や60歳は、通常100円ぐらいをいれる)を準備し、ナイロンの袋に入れておきます。
そして班内(山梨県には、隣近所の人達で作る「班」や「組」とよばれる、小さな組合のようなものがあります。どぶさらい、ゴミ出し、回覧板などすべて班や組を一つの単位とし、皆で助け合いながら行います。都市化の進んだ甲府でも、班制度は今でも現役です)の家々に、家族の代表(普通はお母さん)が、先程のセットを配り歩きます。


「みかんまき」の風習もあります。
「今からみかんまきをしますから、来て下さいね。」と、厄年の人がいる家は、まずご近所さんに声をかけます。その後、2階の窓からみかんをまきます。多い家では10箱ものみかんをまくこともあるそうです。

もちろん近所の神社にも、厄除けのお参りにいきます。
事前に各家庭で、「だんごばら」という白いだんご(上新粉から作る。1月15日の小正月の時、どんど焼きに使うだんごと同じようなもの)を年の数だけ作り、先程のナイロン袋のセットも一緒に、神社へ奉納します。
それを神社でまいていただき、厄除けとします。

大学生や社会人など、事情がありどうしても本人が参拝できない場合には、吉田にいる家族が同級生などに頼んで(同い年である同級生は、みんな一緒に厄年ですから)、だんご等を神社へ持っていってもらい、厄除けとします。

2歳違いの兄弟3人ですと、かなりの期間、ご家族は厄除けの行事をすることになります。
19歳の女の子や25歳の男の子は、自分で準備をするというよりは、同居している祖父母や両親がしてくれるのをみて育ちます。地方色豊かな厄除けのお祭りは、伝統を受け継ぐというだけでなく、今では稀薄になりがちな地域の絆を深める大切な行事だと思います。

昨年、ベトナム・ハノイ在住の富士吉田市出身の方が、「私は今年60歳です。今日は富士吉田にいる家族が、私のために厄除けに行ってくれているでしょう。」と、ブログにコメントを下さいました。海外にいながらも思いを馳せる馴染みの深いお祭りなのです。(あの時は、コメントありがとうございました。富士吉田の方から頂いた初めてのコメント、とても励みになりました。)

もし2月13、14日に富士吉田へいらっしゃるようなことがあったら、ぜひ小さな路地裏通りに入って、周りを見回してみて下さい。きっと「下吉田の厄除け祭り」が見られることと思います。
山梨県には「無尽」(「むじん」とよむ)という独特な集まりがあるのですが、無尽会などで、厄年の人達が皆で厄除けのために、京都へ旅行へ行ったりするのも人気です。
無尽については、また後日ご紹介致します。

正彦君が25歳の時、2004年2月13日から14日(数えで25歳は、実年齢24歳)、何をしていたのかなと思って「志村日記」を見ましたら、ちょうど「『桜の季節』のPVが完成した」と書いてありました。まさに「仕事の転機」だったのですね。転機というより本格始動でしょうか。

富士吉田では、厄除け祭りに行くということであれば有給が取れますから、きっとあの日、正彦君の同級生は、皆で連れ立って神社へ行ったのでしょうね。そして彼の分も厄除けをしてきてくれたことでしょう。

そんなことを、2012年の愛染地蔵尊厄除け祭によせて、考えました。

今日の一曲は、「桜の季節」です。いつもと違って聴こえる「桜の季節」です。

Friday, 3 February 2012

節分祭り



今日は節分です。
節分とは本来、「季節の分かれ目」(各季節の始まりの日の前日)を意味していましたが、江戸時代以降は特に立春の前日を指すようになりました。

現在では2月3日頃が、これにあたります。
この日の夜、炒った大豆を家の内外に撒きながら「鬼は外!福は内!」と唱えます。その年の健康を祈り、自分の年の数だけ大豆を食べるという習慣もあります。

「季節の変わり目には邪気(鬼)が生じる」
節分はそれを追い払うための悪霊払いとして、平安時代頃から、宮中の年中行事として始まりました。日本独特の風習であり、他国には節分のような行事はありません。
土着の自然崇拝や神道など、日本固有の自然環境(はっきりとした四季があることなど)から受ける影響が大きかったと思われます。

確かに季節の変わり目には体調を崩す人も多く、子供やお年寄りには厳しいときですよね。神事から遠のいてしまっている私たちでも、納得できます。

元々宮中行事だったものが、庶民の生活に採り入れられました。
神社仏閣では「節分会」(せつぶんえ)として、大々的に豆まきが行われます。



山梨県内では「身延山久遠寺」の節分会が有名で、毎年、荒行修法師のほか、力士、タレント、歌手などが特設ステージより豆を撒きます。

そして、富士吉田市上吉田にある冨士浅間神社(地元の方たちは、「かみせんげん」と呼ぶ)などでも行われる賑やかな行事です。



フジファブリック 志村正彦君の地元、富士吉田市下吉田にある小室浅間神社(地元の方たちは「しもせんげん」と呼ぶ)でも、今日は節分会が行われます。
昨年の「志村正彦展」で配られた「てくてくマップ 志村正彦編」にも書いてありますが、小学生の時の遊び場であった下浅間神社です。

近年、学生さんや会社員の方々が平日は休めないという理由から、豆まきは日曜日、節分祭は例年通り2月3日に執り行われることとなったそうです。
詳しくはこちらのホームページをご覧下さい。

小室浅間神社 ホームページ 節分祭

最低気温-13℃、最高気温-2℃という厳しい寒さの中で、今頃豆撒きをしているのかな。

今日富士吉田にいらしているフジファブリックファンの方、よろしかったら年に一度の節分祭で、厄除けをしてみてはいかがでしょうか。

今日の一曲は、「午前3時」です。
この頃のフジファブリックの曲は、改めて聴いてみるといいですねぇ。「志村正彦全詩集」を片手に聴くと、もっといい。シブい上になんともチャーミングで、二十歳そこそこの青年が作ったとは信じ難い・・・。でも若者の「開放感」みたいなものも感じられて、「アラカルト」は大好きなアルバムです。