Tuesday, 20 March 2012

シングル全11曲 歌詞の英訳  終了!



フジファブリック シングル 2004-2009 全11曲、歌詞の英訳が終了致しました。(「銀河」「蒼い鳥」「パッション・フルーツ」を、アップしました)
予定よりも大幅に遅れてしまいましたが、やっとひとつの山を越えた気分です。

昨年12月に開催された「志村正彦展」ではたくさんの方とのご縁に恵まれ、ファンの方々と直接お話させていただく機会も多かったのですが、一番多く訊かれた質問が歌詞の英訳に関するものでした。

「英訳の際、どのような点に気をつけていますか。」
「一番苦労する点は、なんですか。」
「外国人が英訳された歌詞を読んだとき、日本人の私たちが読んだものと同じような印象を抱くものですか。」
「ほかの英訳と比べて、フジファブリックの歌詞の英訳は難しいですか。」

などなど。



今日は「 シングル曲 歌詞英訳 完」の気持ちもこめて、歌詞を英訳する際に個人的に感じたことを書きたいと思います。

まず始めにお断りしておきたいことは、私はプロの翻訳家ではないということです。

このブログをご覧になっている多くのファンの方々と同様、フジファブリックと志村正彦さんが大好きで、「この素晴らしい音楽のお返しに、私は志村君に何ができるだろう。」と考え、思いついたのが歌詞の英訳でした。
ただそこには一つの大きな壁がありました。
私の母国語は日本語なので、英語を母国語とする人達が見たときに、果たしてそれが自然な英語であるかどうか。きちんと対訳になっているのか。自信がありませんでした。
幸いにも高校時代からの親友が、英語、フランス語、日本語を扱うプロの翻訳家として活動していて、監修してくれることとなり実現致しました。

いろいろな方とのご縁でこの英訳は可能になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。

趣味の域を超えないものですが、私が手がけたフジファブリックの歌詞の英訳を含めて、このブログ内にあるものすべてを、志村正彦さんに捧げます。

志村君にして頂いたことに比べれば、その万分の一にもなりませんが、英語を解する外国人がフジファブリックの素晴らしい世界をより深く理解し、もっともっと多くの人達に志村君の遺してくれたものが伝わっていってくれればと、心から願っております。

さて、よく訊かれる質問について。


Q.「英訳の際、気をつけていることはなんですか」

「できるだけ忠実に、元の歌詞を翻訳すること」に尽きます。
翻訳する側が意訳しすぎるのは、フジファブリックの歌詞の場合、とても危険です。映画のせりふを翻訳するのとは違いますので、物語の前後や文脈から理解した自分なりの考えを投影し、自分の想像に沿って翻訳をすると「私の考える歌詞」になってしまうのです。

志村君は「聴き手によって、自分なりの歌詞の捉え方ができるように。」と、あえて限定的な言葉の使用を避けていました。ここにフジファブリックの歌詞の魅力があるからこそ、それを壊しては志村君の思いに反してしまいます。

ただ・・・この作業は非常に難しいです。
思ったよりもとっても困難なことでした。まず志村君は天才でしたから、凡才の私には思いも及ばない箇所が多々あり、どういう思いで書いたのかと本気で本人に訊きたいときがあります。
それは叶いませんから、自分なりに「柔軟な捉え方をできる」単語をできるだけ選びます。

もうひとつ、「銀河」などにも出来てくる擬音語、擬態語(オノマトペ)です。これはフジファブリック独特の魅力ですから、単語選びには監修の親友と二人で、熟慮に熟慮を重ねます。

Q.「一番苦労する点はなんですか」

これは前の質問の答えと重複しますが、「聴き手に、自分なりの歌詞の捉え方をしてもらう」ような翻訳をするという点に、一番苦労します。
どうしても私自身の経験や思い出を通して、歌詞の語る状況を想像します。それは当然のことで、普通に聞いている分にはなんら問題はありませんが、過剰な想像力は翻訳の作業の妨げになり、独りよがりの歌詞の解釈につながっていきます。

翻訳するときは、できるだけ志村君の書いている歌詞にでてくる単語に忠実に。私の考える曲の文化的背景などは、ブログの記事として書いています。



Q.「外国人が英訳された歌詞を読んだとき、日本人の私たちが読んだものと同じような印象を抱くものですか。」

どうでしょうか。
正直なところ、私もよくわかりません。

ただ「夕日を見ると、郷愁の念にかられる」「夏の終わりの花火を見た後の、なんともいえない寂しさ」は、日本人独特の感覚なので、よほど日本文化への造詣が深くない限り、なかなか歌詞を読んだだけでは伝わらないと思います。
ブログの記事では、そのようなフジファブリックの歌詞に出てくる日本文化独特の感覚を、説明しています。特に四季盤など季節感溢れる曲の数々は、日本人独特の感性が盛り込まれているため、季節のはっきりしない国の人達には伝わりにくいと思います。

Q.「ほかの英訳と比べて、フジファブリックの歌詞の英訳は難しいですか。」

はい、とっても難しいです(笑)。
私が今まで英訳した文書の中で、トップ3に入ります。
詩の翻訳は元来難しいものなのですが、天才志村正彦の書く歌詞は、謎に満ちている箇所も多く、言葉遊びなどを含め、翻訳は困難を極めます。
でもその作業はとても充実していて、なによりも
「このブログのおかげで、フジファブリックの歌詞の魅力を理解できた」
「フジファブリックが大好きになりました」
と外国の方に言っていただく時ほど、嬉しいことはありません。

今から世界が志村君の価値に気付くと、私は信じています。


今日は私事ばかりの記事になってしまって、ちょっと反省しています。

ツイッターで映画「モテキ」が、アメリカ・ニューヨークで公開されるという情報をみました。詳細は不明ですが、「Love Strikes!」という題名になるそうです。確かに外国人にとって、「Moteki」よりはキャッチーかもしれません。(情報提供して下さったKさん、ありがとうございました)

オープニングテーマ曲「夜明けのビート」とフジファブリックも、注目されるようになること必然です!翻訳、がんばらなくては・・・。

富士山の麓から 世界へ響け!フジファブリック!!

今日の一曲は、「夜明けのビート」です。こうしてこれからも、志村正彦君のファンは増え続けていくのです。

2 comments:

くるみ said...

ジャックさん、こんにちわ~!!

シングル全曲歌詞英訳、ほんとにお疲れ様でした!!
私は英語全くダメなので、ほんとに尊敬します。

世界に志村君の素晴らしい歌詞を発信してくださってありがとうございます!!
ジャックさんのおかげで志村君の、フジファブリックの魅力が外国の方々にもわかっていただけてると思うだけでファンとしては嬉しいですよ☆

そして誰よりも志村くん本人が喜んでると思います!!!

Jack Russell in Bangkok said...

くるみさん、
コメントありがとうございます。
そして温かい応援メッセージも、ありがとうございました。

これからも全曲英訳を目指して、がんばっていきたいと思います。
実のところ、志村君、喜んでいるのかなぁ。そうだといいのですけれど。
「勝手に解釈して、歌詞を英訳されるのはちょっと・・・。」と、思っていたらどうしましょう・・・。
謝るしかありませんね!

外国の方々にも、日本の短歌や俳句と同様、ぜひフジファブリックの曲を楽しんでいただきたいと願ってやみません。