Thursday, 2 August 2018

虹色デイズ Vol 2


杏奈に好意を抱きつつも、はっきりと自分の気持ちを告白出来ず、悶々とした日々を送る夏樹。そして、そんな夏樹を好きになり始めた自分に気付き、戸惑う杏奈。

このようなところから、球技大会の場面へと移っていくわけなのですが、ここでフジファブリック「バウムクーヘン」が夏樹と杏奈の気持ちを語るのです。

何をいったいどうしてなんだろう
すべてなんだか噛み合わない
だれか僕の心の中を見て 見て 見て 見て 見て

僕は今まで傷を作ったな
自分でさえも分からない
歳をとっても変わらないんだな

僕は結局優しくなんか無い
人を振り回してばかり
愛想をつかさず 僕を見ていてよ

言葉では伝えられない 僕の心は臆病だな
怖いのは否定される事 僕の心は臆病だな だな

飯塚健監督の作品では楽曲を使用することで登場人物の感情を歌詞により浮き彫りにするという手法がよく使われる、ということを事前に知っていたのにも関わらず、想像以上に歌詞に出てくる言葉が一つ一つ鮮明に聞こえてきたことに感動を覚えました。音量といい、志村君の声質と歌い方といい、初めて「バウムクーヘン」をきいた観覧者でも、歌詞を充分理解して場面を楽しむことができる演出になっています。

飯塚作品には、くるり、アナログフィッシュ、真心ブラザーズ、奥田民生など、いわゆる「ロキノン系」といわれるアーティストの楽曲が使用されることが多いのですが、今回は挿入歌の「虹」だけでなく、「バウムクーヘン」と併せて計二曲のフジファブリックの楽曲が使われました。リリースから「虹」は13年、「バウムクーヘン」は9年の時を経て、映画で流れることになりました。曲を作った当時、まさか将来、この曲達が映画で、それも青春恋愛映画で使われるなど、志村君は考えもしなかったでしょう。ここにまた、想像もしなかった未来が広がっているのだなと思います。

さて、ストーリーは順調に進み、夏樹と杏奈が文化祭で結ばれて映画はめでたく終了。最後の最後に、エンドロールに流れる「作詞作曲 志村正彦」の文字を、目に焼き付けてきました。



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