Thursday, 30 August 2018

ここ最近の「若者のすべて」

「若者のすべて」の勢いがとまりませんね。嬉しいです。

この夏は、LINEモバイルのCMに採用されたおかげで、ふいにTVから流れる「最後の花火に 今年もなったな♫」に何度驚かされたことでしょう。「関ジャム 完全燃SHOW」にも出演し、TVの威力を思い知る夏でもありました。

今までに数多くのミュージシャンが「若者のすべて」をカバーしています。
Mr. Children桜井和寿さんがいるBank Band。
藤井フミヤさん(2007年放送 BSフジイ 14回目2010年9月10日放送 「僕らの音楽」ロッキンオン・ジャパン フジフジ富士Q などで披露)
槇原敬之さん(「Listen To The Music ~うたのお☆も☆て☆な☆し 2014」
柴咲コウさん(「こううたう」
anderlust 「Scrap & Build」

など、そうそうたるメンバーです。

最近では、堕落モーションFOLK2の安部コウセイさんや鬼龍院翔さんが、ライブでカバーしたそうですが、夏の終わりのこの季節になると聴きたくなる曲として、すっかり定番になりました。

Great 3の片寄明人さんが、フジフジ富士Qの直前、2010年7月11日、志村君とフジファブリックについて書いた文章があります。(Facebook 片寄明人 ノート)その中で、片寄さんが初めて「若者のすべて」を聴いた日のことを書いていますので、引用します。

「TEENAGER」が完成した直後、僕に聴いて欲しいといってマスタリングしたばかりのCDを持ってきたこともあった。
2人でソファーに並んで座り、1曲ごとに短い感想をはさみながら、丁寧に全曲を聴かせてもらった。忘れられないのは「若者のすべて」が流れてきた時のこと。思わず鳥肌が立った。「志村くん、やったな。」と思った。
「これは名曲だよ」僕はちょっと眼がしらが熱くなっているのを隠し、志村くんに「ほら見ろよ。鳥肌」と言って、彼に腕を見せた。志村くんは「ありがとうございます」と嬉しそうに微笑んでいた。

「フジファブリック7」Facebook 片寄明人 ノート

また志村君が、おそらく同じ日のことを言っているのではないかという記事を、志村日記に書いていますのでここに引用します。

また片寄さんちに行ってきた。俺、最近酒を控えてるので白ワインを一口だけ飲んだ。
片寄さんには公私ともに様々な相談にのってもらっている。ここにはあまりにも具体的なことは書くべきではないので、書いたりはしないが、僕にも人並みに苦悩もある。そういうことだったり、もちろん音楽的なアドバイスもくれる。片寄さんちにある、グッドミュージックをBGMに。
フジファブリックの今後リリースされるであろう音源も聴いてもらった。その中でも僕が今の所一番気に入っている曲があるのですが、片寄さんもその曲が好きと言ってくれた。彼が僕のことをとても理解してくれる人の一人だ。
(「東京、音楽、ロックンロール 完全版」2007年10月3日付記事 ロッキング・オン 2011年1月28日 初版発行)

1stアルバム「フジファブリック」のプロデューサー、片寄さんにも褒められて、手応えを感じたはずの志村君。数々の雑誌取材を受け、テレビに出演し、プロモーションも手を抜かず、大忙しの毎日でしたが、発売日を迎えた10枚目のシングルに世間はどのような反応だったのでしょうか。

次回に続きます。


Wednesday, 29 August 2018

㊗ブログ開設8周年

今日、2018年8月30日で、このブログも開設8周年を迎えることができました。今日という日が迎えられたことを大変嬉しく思い、今まで応援して下さった皆様に心からの感謝を伝えたいと思います。

思えばブログを始めた2010年8月30日。

フジフジ富士Qが終わり、当時の私は心の中にぽっかりと穴が開いたようでした。

ライブに行くことも、手紙を書くことも、もう叶わない。
どうやって志村君に、素晴らしい音楽のお礼と感謝の気持ちを伝えられるのだろう。
どうやって応援すればいいんだろう。
何かできることはないのかな。

そんなことをずっと考えていました。喪失感に苛まれる中、きっと多くのファンがそう思っていたのだと思います。(そして今も思っているのだと思います。)

今はYou Tube、Instagram、Twitterなど、手軽に発信できる便利なSNSが多数ありますが、その時の私が行きついたのはブログという方法でした。海外進出を夢見ていた志村君だったので、「どうすれば、海外の人達にフジファブリックを知ってもらえるのかな。」と、機械音痴の私が思いあぐねた末の妙案?(と、あの時は思いました・・・)だったのです。

(海外のファン向けに始めたブログだったために、今でも記事が英語と日本語で書かれていますが、そのような事情からです。ご了承下さい。)

この8年間、私の周りでもいろいろなことがあり、思うように記事が書けない時期もありましたが、温かい目で見守って下さりありがとうございます。皆様から送って頂く応援メールやコメントは、とても励みになります。

あの日、挨拶文(ブログの右側に表示されています)に込めた思いは、今も全く変わっていません。今日の記念に、再度ここに書かせて頂きます。

このブログにアクセスして下さった方々へ

今日はこのブログにいらして下さり、ありがとうございます。
フジファブリックファンの方、フジファブリックって誰?と興味をもたれた方、そして世界のJロックファン、ようこそ!
彼らの歌詞は叙情的でありながら余情に溢れ、日本の美しさが織り込まれた曲が多数あります。
それは時に日本の四季の美しさであり、日本人特有の感情や美意識でもあります。
また、フジ節といわれる音楽はまさに「不二」節で、他の誰にも真似できない一種独特な魅力に富んでいます。
こんな素晴らしい音楽を、日本人限定にするのはもったいない!
世界中の皆様に、フジファブリックの魅力を知っていただきたい!!
その思いで始めるブログです。

富士山麓から世界へ響け! フジファブリック!

ボーカル・ギターの志村正彦くんと同郷である私の、ささやかな願いです。
数々の名曲を遺してくれた志村くん、あなたにこのブログを感謝の気持ちを込めて捧げたいと思います。
志村君、ありがとう。

2010年8月吉日
2009年12月24日には見えなかった未来が、今、広がっています。
「若者のすべて」がCMに使われ、多くのミュージシャンがカバーし注目され、今をときめく俳優さんが「茜色の夕日」を好きだと公言している2018年。志村君の作った楽曲は、時間を超え、国境を越え、いまだにファンは増え続けています。

拙いブログではありますが、これからもどうぞよろしくお願い致します。

志村君
素晴らしい音楽を、どうもありがとうございます。
フジファブリックの本当の価値に、世界が気付く日が早くきますように。
志村君の作った楽曲に正しい評価が下る日が早くきますように。

映画「虹色デイズ」おまけ

映画「虹色デイズ」について書いた記事(2018年7月21日付記事 「『虹色デイズ』を観に行ってきました」2018年8月2日付記事「虹色デイズ Vol.2」)のおまけです。

先日、久しぶりに「東京、音楽、ロックンロール 完全版」(ロッキンオン出版 2011/1/1)を読んでいると、ドキッとする文章を見つけました。

2008年2月7日付けの日記に書いてある「志村、好きな景色シリーズ。」。

「建設中の高速道路の市中だけの並んだやつ」
「港にある起重機」
に並んで書いてあるのが、
「ど田舎の、田んぼに囲まれた四差路(ここで自転車に乗った、女子高生を見れたらベスト)

「虹色デイズ」をご覧になったファンの方は、ピンときましたか。

そうです。

オープニングで、フジファブリックの「虹」が大音量で流れる中、主人公の羽柴夏樹くんが必死に自転車をこぐ場面。「田んぼに囲まれた四差路」が舞台でしたね!
映画の中で、好きだと公言していた風景に自分の曲が流れるなんて、きっと大喜びしたのではないかなと勝手に想像してしまいました。

ひとつ残念なのは、「自転車に乗った女子高生」ではなく、「自転車に乗った男子高校生」だったところなのでした・・・。


Tuesday, 21 August 2018

8/26(日)テレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」 フジファブリック「若者のすべて」出演

8月26日(日)、テレビ朝日放送の「関ジャム 完全燃SHOW」のジャムセッションで、フジファブリックが関ジャニ∞と「若者のすべて」を演奏することとなりました。

「関ジャム 完全燃SHOW」ホームページ
フジファブリック オフィシャルサイト

毎年、涼風が立つ頃になるとラジオで頻繁にリクエストされる「若者のすべて」ですが、今年はLINEモバイルのCMに使われたこともあって、思いがけないタイミングでテレビから流れる「最後の花火に 今年もなったな」を耳にした夏でもありました。

そんな2018年の夏の最後を飾るのが、関ジャムのジャムセッションです。

関ジャニ∞のメンバーでは、渋谷すばるさんがフジファブリック「若者のすべて」のファンだと以前から公言していて、自身のラジオ番組「関ジャニ∞渋谷すばるのスバラジ/NACK日記-NACK5」(2018年7月1日終了)で、過去に3回も流しているほどです。関ジャニ∞渋谷すばるのスバラジ NACK日記(番組ブログ)

「音楽を追及するために海外に拠点に生活していきたい」という理由により、2018年7月から活動休止、12月末日をもってジャニーズ事務所を退社する渋谷さん。今回のジャムセッションに不在なのが残念です。

トークJAMでは、寺岡呼人さん(JUN SKY WALKER(S)ベーシスト)といしわたり淳治さんが「夏の終わりソング」を様々な角度から徹底解説し、切ない「夏の終わりソング」独特の魅力を語ります。

寺岡さんと志村君との関係は古く、寺岡さんが主催するライブイベント「Golden Circle」(2001年8月から開催)には、志村君も出演しています(2005年2月28日、SHIBUYA-AXにて 寺岡呼人 Golden Circles 年表)。このライブでは寺岡さんの他、奥田民生さん、和田唱さん(Triceratops)、桜井和寿さん(Mr. Children)という憧れの大先輩らと共演し、緊張の面持ちの中にも嬉しさがにじみでている志村君の様子を思い出すファンの方もいるかと思います。

寺岡さんが「若者のすべて」について、何か解説してくれるのか?
オンエアーで乞うご期待!です。

「笛吹市夏祭り 石和温泉花火大会」が今夜終わり、これで山梨県で開催される夏の花火大会はすべて終了しました。豪華なフィナーレが終わった後の静寂の中で味わう、あのなんともいえない寂しさ。いつのまにか虫の声が草むらから聞こえてくるのに気づき、生命力あふれる夏は終わりを迎え、もうそこまで秋がきているのを感じずにはいられないのです。

「最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな」

志村君に、この番組に出て欲しかったです。


Monday, 20 August 2018

Fujifabric in KAN JAM on 26th August 2018

Another good news for you, Fujifabric fans!

Fujifabric will be on a TV show this Sunday.
Please find the details below;

Date: Sunday, 26th August 2018 
Time: 23.10 ~
Channel: TV Asahi
Name of Programme: KAN JAM Kanzen Nenshow (Here is the official website of the programme, KAN JAM Kanzen Nenshow. NB. Only Japanese language is available.)

The main theme of today's KAN JAM is 'End of Summer Songs'. The guest artists, Yohito Teraoka and Junji Ishiwatari, will discuss about Top 10 songs of 'End of Summer Songs' analysing guitar cords used in the songs, the characteristics, structure of words in the lyrics, and even singer's way of expression. Compared to rip-roaring, riotous 'Mid Summer Songs', 'End of Summer Songs' are more about pensive sorrow in the end of summer time.

Fireworks hold a special place in Japanese hearts. Sparkling for a few moments and them falling slowly from the sky, they symbolize both the spirit of summer and the transience of life. (pp.95 'Trad Japan - July 2010' Japan Broadcasting Publishing Association 2010)

Pay attention to the world of Fujifabric's lyrics and enjoy JAM Session - Fujifabric, Nishikido and Ookura of Kan-Jani will play 'Wakamono No Subete' (released on November 7th, 2007, as 10th single. 4th song in 4th album, 'Teenager'. Wakamono no Subete). Please find the English lyrics of Wakamono No Subete below.


4. All About The Youth (Wakamono No Subete)

The midsummer peak is over               That’s what the weatherman said on TV
But it feels like things ain’t settled down yet here, in town.
I don’t know why, but today’s  chime at 5pm echoed in my heart,
Put it down to something convenient, “Destiny”, let’s say.

Time once again already, for the last fireworks of the year
They’ll stick in my mind, even as the years pass by

No way, No you can’t, you really won’t, be there – will you?
But if we do meet, will I be able to say…
Close my eyes             picturing it so in my mind

Found out the law of the World,          just the way things are
And come back

Another street lamp lights up                           Hurry on back              
Want to rewind the sequel of the disrupted dream



Time once again already, for the last fireworks of the year
They’ll stick in my mind, even as the years pass by

No way, No you can’t, you really won’t, be there – will you?
But if we do meet, will I be able to say…
Close my eyes             picturing it so in my mind

As being scraped                                 I quietly and gently start to walk on

Time once again already, for the last fireworks of the year
They’ll stick in my mind, even as the years pass by

No way, No you can’t, you really won’t be there – will you? I used to think
What am I gonna do?               lost my head               Don’t know what to say

When the last of last fireworks are over
Will we have changed              looking up at the same sky

Rainbow Days Vol.2

(continued from the last post)

Natsuki doesn't take any action to show that he fancies Anna and Anna is confused with her feeling towards Natsuki. The scene is jumped to a softball match on the sports field at school and Natsuki hits a home run. Though Anna is excited and about to run to him, she gets upset and jealous when seeing another girl wiping his face. She doesn't understand why she gets jealous, and here, Fujifabric's music, 'Baumkuchen' is played along with the scene.

Please find the lyrics of 'Baumkuchen' below.


Baumkuchen

What, what on earth?     How come?
Every piece does not seem to fit in together
Someone, please           Look inside of my heart                         Look   Look   Look   Look

I have got hurt before
I do not even know myself
I’m getting older, but I don’t change

I am not kind after all    Always make people do what I want
Please don’t lose your patience and observe me

Can’t put it into words to tell you           I am a coward at heart
What I’m scared of is being denied        I am a coward at heart   yeah, right

Crying easily leads to a loss, I believe
So I don’t show my tears to anyone
But by somehow           feeling complicated

Telling a lie      gives a punishment
So try not to do so
Even about that, I’m not so sure either

Sorry    I could not take a good care of you
I am incompetent at heart
After being cooled down, I noticed it, at last                  I am incompetent at heart     yeah, right

Tut, tut, tut,      things don’t go well
Tut, tut, tut,      some days are like that
Tut, tut, tut       get stumbled
Tut, tut, tut       some days are like that

Tut, tut, tut,      things don’t go well
Tut, tut, tut,      some days are like that
Tut, tut, tut       get stumbled
Tut, tut, tut       some days are like that

Can’t put it into words to tell you           I am a coward at heart

What I’m scared of is being denied        I am a coward at heart   yeah, right

(translated by Mai Sugiyama as of 20th August 2018)


Saturday, 4 August 2018

Rainbow Days Vol.1



(Translation of the blog post on 21st July 2018)

Dear Fujifabric fans,

I am now back in Japan. It is always my precious moment to come back to my hometown, Kofu in Yamanashi Prefecture. I was expecting the cool breeze blowing down from surrounding mountains, but we didn't have a chance. We are experiencing one of the hottest summer in Japan this year!

One sizzling hot afternoon, I went to the cinema to watch the film, ‘Nijiiro Days’ (‘Rainbow Days’), which is originally a Japanese Girls’ comic series written and illustrated by Minami Mizuno. (please find the English site for Rainbow Days here Rainbow Days) The story is about everyday lives of four highschool boys - school days, friendship, romance, insecurity and fun.

The comic series have been translated into many languages such as English and French, and it is one of the popular manga among fans abroad. The series have at last been made into a live-action feature film by a film director, Ken Iizuka and it has been introduced on the screen since 6th July 2018. (please find the official site for the film of Rainbow Days here Nijiiro Days. Only Japanese language available.)

I am delighted to announce to Fujifabric fans that two pieces of Fujifabric’s music are used in the film - Niji (literally means ‘Rainbow’, Single was released on 1st June 2005, 10th song in the 2nd Album, ‘FAB FOX’ released on 19th November 2005)as the film opening theme song, and Baumkuchen (1st song in the 4th Album, ‘Chronicle’ released on 8th April 2009).

Iizuka is known as a director who often uses a technique of ‘letting the lyrics talk’, which means that the words in the lyrics of music depicts the feelings of an actor or actress in the scene.

The film begins with the scene that Natsuki Hashiba, one of the main charcters, gets on a bike and starts pedaling at full speed in the middle of rice field, and Fujifabric’s ‘Niji’ is played along in the schene. Please watch the video above.

Let’s have a look at the lyrics of the song in detail. (Copied from Pages of this blog)

5. Rainbow (Niji)  

The weekend, stopped raining                          rainbow curving in the sky
Thinking of getting on a glider                         want to fly way
Getting’ sort’ carried away ---, whistling away and stuff

The weekend, stopped raining             city’s started changing anew
Ultraviolet rays forming waves, shining down on the city
Became kinda anxious, thinking about you

Out into the distance, wanna make it sound out and see
Resound!         The world’s     gonna shake!
Wanna shout out, stuff that’s needless to say
Whirl!              The world’s gonna smile!

The weekend, stopped raining                          rainbow curving in the sky
This kinda day, makes me wanna go somewhere far away,
Trample on a can of coffee     finally take a step forward

The weekend, stopped raining                         the city’s started changing anew
Forget the glider                       my dream’s to get on Thunder Bird
Ride on past New Jersey          right through the ozone hole

Out into the distance, wanna make it sound out and see
Resound!         The world’s gonna shake!
Wanna shout out, stuff that’s needless to say
Whirl!              The world’s gonna smile!

The sky’s gonna be lifted up

The weekend, stopped raining                         I am starting over
Forget the glider                       my dream’s to get on Thunder Bird
Ride on past New Jersey          right through the ozone hole

Out into the distance, wanna make it sound out and see
Resound!         The world’s gonna shake!
Wanna shout out, stuff that’s needless to say
Whirl!              The world’s gonna smile!



Thursday, 2 August 2018

虹色デイズ Vol 2


杏奈に好意を抱きつつも、はっきりと自分の気持ちを告白出来ず、悶々とした日々を送る夏樹。そして、そんな夏樹を好きになり始めた自分に気付き、戸惑う杏奈。

このようなところから、球技大会の場面へと移っていくわけなのですが、ここでフジファブリック「バウムクーヘン」が夏樹と杏奈の気持ちを語るのです。

何をいったいどうしてなんだろう
すべてなんだか噛み合わない
だれか僕の心の中を見て 見て 見て 見て 見て

僕は今まで傷を作ったな
自分でさえも分からない
歳をとっても変わらないんだな

僕は結局優しくなんか無い
人を振り回してばかり
愛想をつかさず 僕を見ていてよ

言葉では伝えられない 僕の心は臆病だな
怖いのは否定される事 僕の心は臆病だな だな

飯塚健監督の作品では楽曲を使用することで登場人物の感情を歌詞により浮き彫りにするという手法がよく使われる、ということを事前に知っていたのにも関わらず、想像以上に歌詞に出てくる言葉が一つ一つ鮮明に聞こえてきたことに感動を覚えました。音量といい、志村君の声質と歌い方といい、初めて「バウムクーヘン」をきいた観覧者でも、歌詞を充分理解して場面を楽しむことができる演出になっています。

飯塚作品には、くるり、アナログフィッシュ、真心ブラザーズ、奥田民生など、いわゆる「ロキノン系」といわれるアーティストの楽曲が使用されることが多いのですが、今回は挿入歌の「虹」だけでなく、「バウムクーヘン」と併せて計二曲のフジファブリックの楽曲が使われました。リリースから「虹」は13年、「バウムクーヘン」は9年の時を経て、映画で流れることになりました。曲を作った当時、まさか将来、この曲達が映画で、それも青春恋愛映画で使われるなど、志村君は考えもしなかったでしょう。ここにまた、想像もしなかった未来が広がっているのだなと思います。

さて、ストーリーは順調に進み、夏樹と杏奈が文化祭で結ばれて映画はめでたく終了。最後の最後に、エンドロールに流れる「作詞作曲 志村正彦」の文字を、目に焼き付けてきました。