Wednesday 20 January 2016

「冬銀河」と「銀河」


1月17日の夜半から18日の昼にかけて、山梨県内は雪が降りました。
河口湖の積雪量は、なんと39センチ!

雪が降ってもすぐにお日様が出てくるのが山梨のいいところですが、雪の後は冷え込みますね。それにしても、富士山がきれいです。(路地裏の僕たちメンバーのカズさん、いつも素敵な写真をご提供下さり、ありがとうございます。)あの左になびく雪煙は、左の方向(西の方向)に向かって強い風が吹いている証拠でもあります。麓の富士吉田でも、寒い風が吹いているのでしょうか。

23日(土)にはまた雪予報ですし、1月25日(月)には最低気温-12℃(!)の予報ですので、富士吉田の皆様、そして富士吉田を訪れるご予定のファンの皆様、くれぐれも厳しい寒さと路面凍結にお気をつけください!

前回に続いて、「どうして冬に『銀河」なのか。」について考えてみたいと思います。

一年を通して季節ごとに発売されたシングル「四季盤」。

最後の「冬」を飾るフジファブリックの4thシングル「銀河」は、2005年2月2日にリリースされました。フジファブリック Official Website - Discography
今から11年前になります。

2004年11月10日にリリースされた1stアルバム「フジファブリック」を完成させた後に、とりかかった楽曲です。アルバム作成という大仕事を通して、バンドとして精神的にも技術的にも、きっと多くのことを学び、経験したことでしょう。

その後に作成されたシングルは、前3曲とは一味違う雰囲気をもつ曲となりました。

「曲を作る時点で、冬盤は冬っぽくない感じにしたいというかロックなノレる感じの曲を作りたいなってなんとなく考えてたんです」FAB BOOK : p74 「Single 『銀河』」)

そして志村君はこう続けます。

「冬盤だから雪みたいのはかっこ悪いなと思って。雪とか寒さとか、そういうのは安易だから。マフラーとかね(笑)。寒いという前に、空気がきれいだとかそっちの方にいったわけです」FAB BOOK : p74 「Single 『銀河』」)

そうです。
そこなのです。

「『冬』といえばこれ」という単純明快なキーワードを歌詞や曲名の中であえて避けたために、春の「桜の季節」、夏の「陽炎」、秋の「赤黄色の金木犀」とは少し違った魅力を携える冬盤が登場したのです。


まず曲名である「銀河」。

「天の川」「銀漢」などと同様、秋を表す季語です。

旧暦の秋、現在の7月、8月、9月のことですが、この季節に天の川が空の一番高いところにかかり、天の川が最も明るく見えるため、秋の季語となっています。

一方、「冬銀河」という季語もあります。
こちらは文字通り、冬(現在の10月、11月、12月)の季語です。
「真冬冴えきわまった夜空にかかる天の川」のことを、表しています。(合本 俳句歳時記 新版 : p735 「冬銀河」)

秋の季語の「天の川」や「銀河」より、いくらか明るさが弱く、寒さに凜と冴え渡る冬の夜空に瞬く星が特徴です。同じく「冬の星」も、冬の季語です。


季語のことなど、作詞をした志村君が考えていたかどうかは、実のところわかりません。でも寒さに凜と冴え渡る夜空に星が瞬くのをみて、「冬だな。」という思いに駆られるのは日本人共通であり、春の桜、夏の陽炎(ちなみに陽炎は夏の季語ではなく、春の季語です)、秋の金木犀と同様、銀河や星は冬を感じる言葉として昔から使われてきたということを、今日は皆様にお伝えしたいと思いました。

難しい話はこちらに置いておいて、冬の夜に外に出ると夜空がきれいで思い出に残る。これで十分ですね!

メールを下さったファンの方、ありがとうございました!興味深い質問から、ひとつの記事にまでなりました。

次回はもう一度、歌詞を読んでみたいと思います。

今日の一曲もこの曲。
「銀河」です。

下では激しくカッティング・ギターを弾きつつ、上では何事もなかったようにシラーっとダラーっと歌う志村君。山内さん奏でる流れるようなリードギターと、キラキラな金澤さんのキーボードサウンド、そしてそれらを支える安定の加藤さんのベース。

何気なく聴いていたけど、演奏するのは大変そうですね・・・。

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