Friday, 4 October 2013

「ないものねだり」

ちょっと一息。

「偶景web」に、「一番美しいもの」という記事が、アップされました。2013年9月29日 「一番美しいもの」
藤谷怜子さんのいう「ああ、ここには人の心の一番美しいものがある」という文章に、とても感銘を受けましたのでご紹介致します。

4th アルバム「Chronicle」の中でも、
「僕個人的には、"ないものねだり"が好きです。」(「東京、音楽、ロックンロール」2009年5月20日付日記)、
「(Chronicleの)どの曲もいろいろな形でそのことを歌ってるんですけど、この曲に一番集約されてると思うから」(「FAB BOOK」p96)、
と志村君自身も評していた「ないものねだり」。


全体的にそれほどダイナミックな抑揚もなく淡々と続くメロディーに、これまた淡々とした歌詞。


『ないものねだり』の「僕」は「気持ち伝える」のに悩み、「大事なところ間違えて」、「膨大な問題ばかりを抱えて」いる。いつの日も「あなた」に悩ませられている。うまくいかない、カッコわるい、そんなことばかりがあって、ありたい自分とのギャップにないものねだりを繰り返している「弱い生き物」だと自己評価している。(「偶景web「一番美しいもの」213年9月29日付記事より抜粋)
様々な交錯する中、「いっそ笑ってよ」と自虐的にまでなっている中、肩の力がちょっとだけ抜ける帰り道。

「路地裏で咲いていた 花の名前はなんていうんだろうな」と、「僕」はふと考えます。

路地裏に咲いている花は、きっと世でいう「雑草」の類と思われます。
雑草というものは、通常作物に害をもたらし、人間活動で大きく撹乱された土地にも自生できて、普通に身の回りに生えている植物と考えられています。

藤谷さんのいう「名もなき」という言葉が、まさに適用されてしまう植物であります。

でもいろいろな思いが錯綜する「僕」が、ふと眼を向けた先は、お花屋さんに並ぶ高価なガーベラやバラなどではなく、「雑草」に咲く花。
ここに志村君の感性が、詰まっていると思います。


雑草は、人間が勝手に考えた分類法により分類され、「雑草」と看做されただけのこと。名前自体も、所詮人間が勝手につけただけで、どのような名を付けて人間が呼ぼうが、そのものがもつ本質は何も変わらないはずです。

「帰り道に見つけた 路地裏で咲いていた 花の名前はなんていうんだろうな」

「ペダル」の出だしにある
「だいだい色 そしてピンク 咲いている花が
まぶしいと感じるなんて しょうがないのかい?」にも、同じ響きを感じます。

「咲いている花」というのですから、切花として花屋さんで売られている花ではなく、やはり野に咲く花なのでしょう。


物事の本質を純粋にみていた志村君の価値観と鋭い感性が、またそれが素直に表現される歌詞が、今の世知辛い世の中で多くの人に求められ、心によりそってくれているのでしょう。
またそれは、フジファブリックの曲の原点ではと思いました。

藤谷さん、美しい文章で綴る記事をどうもありがとうございました。
志村君、すばらしい音楽をいつもありがとうございます。

4 comments:

パール said...

いつも楽しく拝見させていただいております。
ここのところ更新がなかったので心配しておりました。
海外でのお仕事と、年々大きくなる志村さん存在の鍵を握るこのサイト。両立は大変だと思いますが、お体に気を付けて頑張ってくださいね。

野に咲く花と言えば「花屋の娘」の娘さんもそうでしたね。
「すみれ」と名付けた人は、鮮やかなお花に囲まれて働く野花のような人でした。

Jack Russell in Bangkok said...

パールさん、
温かいコメントをありがとうございます。

長期にお休みしていたにも関わらず、こうしてファンの方から温かいお言葉を頂くことができて、本当に感謝しています。
皆様からのコメントやメールは、ブログを続ける大きな励みとなっています。

おお!
「すみれ」ちゃんもいましたね!
「花」で「つぼみ開こうか 迷う花」も、庭の花ですものね。
決して目立つことなく、隅っこで咲く小さな花に心惹かれるその感性が、いかにも志村君らしくて大好きな一曲です。

応援ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願い致します。

Nao Yamamoto said...

今日こちらに辿り着きました。
改めて、ないものねだりを聴きながら。
去年産まれた娘は、そのまま寝てしまいました。
優しい響きの文章と歌に包まれて。
これからも覗きに来させてくださいね。それでは。

Jack Russell in Bangkok said...

Nao Yamamotoさん、
コメントありがとうございます。
今日私のブログに辿り着いて下さったとのこと、このご縁を大切にしたいと思います。

娘さん、優しい音と声、言葉に包まれて寝てしまったのですね。わかる気がします。
「僕」の独り言のような歌詞なのですが、きっと多くの人が共感しているのではないでしょうか。厳しい現状を吐露する歌詞と、優しく淡々と流れる音楽が、不思議な魅力をもつ曲です。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。また覗きにいらして下さい。
娘さん、きっとすぐにお母さんと、フジファブリックの曲を口ずさむようになりますよ♪