Friday, 23 January 2015

B.O.I.P Part2

まずは、「B.O.I.P」という曲名からです。

前回の記事で既述しましたように、これは「BATTLE OF INOKASHIRA PARK」の略です。(「フジファブリック Teenager Band Score」  bass. 加藤慎一による全曲演奏解説に記載)

「INOKASHIRA PARK」とは、東京都武蔵野市にある井の頭公園(正式名称 井の頭恩賜公園)のことだと思われます。日本最初の郊外公園として整備され、東京都民の憩いの場として今も親しまれています。

歌詞の中に登場する池、「井の頭池」は初めて江戸にひかれた水道、神田上水の源で、明治31年に「改良水道」が出来るまでは大切な役割を担っていました。詳しくは、こちらをご覧下さい。東京都西部公園緑地事務所 井の頭恩賜公園

ちなみに「井の頭公園のボートにカップルで乗ると、別れる」というジンクスが、昔あったそうです・・・。今もあるのでしょうか。


曲名が英語表記になっているのも、とてもおもしろいところです。
「BATTLE OF INOKASHIRA PARK」とはせずに、「B.O.I.P」としたところに、フジファブリックらしいセンスを感じます。

ちょっと考えさせるような、
謎めいたような、
一筋縄でいかない曲の始まりのような・・・。

ストレートにいかないところが、非常にフジファブリックらしくていいです!


アルファベット表記になって気がついたのですが、井の頭ははたして「いのかしら」なのか、それとも「いのがしら」なのか?!東京に住んだことのない私は、考えたことすらありませんでした。

正解は、「いのかしら」です。

井の頭池の命名者は、三代将軍 徳川家光といわれています。
意味としては、「上水道の水源」「このうえなく美味い水をだす井戸」という二つの説があります。(井の頭恩賜公園 公園の概要 参照)謎をとく鍵は、この由来にあるのではないかと思いました。(ここからは、私の勝手な推理です。)

日本語では、二つの単語を組み合わせた時に、後ろの単語の頭が濁音になるときとならないときがあります。一般的なルールとしては、「後ろの単語の中に濁音があれば語頭は濁音化するが、後ろの単語の中に濁音がなければ語頭は濁音化しない」というものです。

下(した)+拵え(こしらえ)=下拵え(したごしらえ)
下(した)+調べ(しらべ)=下調べ(したしらべ 『したじらべ』にはならない)

「井の頭」の場合をみてみましょう。

そもそも、「いの+かしら」という二つの単語が一緒になったわけではないことに気付きます。「井戸」や「湧き水、川の流水を汲み取るところ」を意味する「井(ゐ)」と、「ものの先端」を意味する「頭」が、「の」という助詞で繋がれているのです。「井」の「頭」、要するに家光公の仰せになる「水源」です。

「鯛」の「頭」と同じ発想の、「井」の「頭」。
ですから、「いのかしら」に間違いありません。

・・・というのが、私の説です!


英語という視点からみると、これまたとてもカッコいい曲名です。

前置詞atを使って「BATTLE AT INOKASHIRA PARK」でも、inを使って「BATTLE IN INOKASHIRA PARK」でも、もちろん文法的には間違ってはいませんし、曲名として十分成り立つのですが、この「BATTLE」は「なにげない日常の一幕でおこったけんかやいざこざ」のイメージです。

でも前置詞がofの「BATTLE OF INOKASHIRA PARK」になった途端、「歴史に登場する有名な戦い」のひとつにランクインしたような?印象に変わります。

ミッドウェー海戦(『BATTLE OF MIDWAY』1942年)、ナイルの海戦(『BATTLE OF NILE』1798年)など。

そこまでフジファブリックのメンバーが考えて命名したのかはわかりませんが、英語圏の人が曲名から受けるイメージとしては、なかなかではないでしょうか。

次回は過去のインタビューをご紹介します。

今日の一曲は、もちろんこちら。
「B.O.I.P」です。Polysicsのハヤシさん、はじけてます!


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