山梨に里帰り中です。今回は偶然、日程が合ったので、富士吉田市民合唱団の定期演奏会を聴きに行くことができました。
三連休の中日、県外ナンバーの車の数に圧倒されつつ、富士吉田市内に入りましたら、さらに外国人の多さに圧倒されました!静かだった富士吉田が懐かしくなるぐらい、にぎやかな日曜日でした。
一方、いつもと変わらず富士山は美しく、小さな笠雲がかかってはいましたが、左右に伸びる裾野までくっきりと見えて、高い空に映えていました。
最後に市民会館に行ったのは、2019年の7月5、6日の上映会の時だったと思いますので、6年ぶりです。相変わらず富士山が間近に見えて、富士吉田市民のための市民会館という名にふさわしい立地だと思いました。
バイオリン独奏「アシタカとサン」、第一部のアヴェ・マリア4曲、第二部の「声が世界を抱きしめます」より谷川俊太郎 作詩の4曲。個人的には「海の比喩」という曲の人と海の壮大さが、詩と演奏によく表現されていて素晴らしかったと思いました。
15分のインターバルを挟んで、第三部「朝ドラソングメドレー」計7曲が演奏された後、いよいよアンコール一曲目、フジファブリック「茜色の夕日」です。
富士吉田市民合唱団の代表 渡辺公男先生自ら、志村正彦さんが富士吉田出身のミュージシャンだということ。上京してすぐに書いた曲が「茜色の夕日」だったこと。志村さんが凱旋ライブの時、この曲を歌い、感極まって歌えなくなってしまったこと。それほど思い入れが強い曲だったこと。富士吉田の防災無線のチャイムになっている曲だということ。志村さんのご家族が会場にいらっしゃっていること。をご紹介下さいました。会場は大きな拍手で包まれました。
ひとつひとつに地元ならではの温かみを感じ、これこそが富士吉田でフジファブリックの曲が演奏される醍醐味だと感じました。
ステージは淡く黄色い照明に照らされ、右奥には夕日を思わせる橙色のライトが灯されました。曲は男声コーラスから穏やかに始まりました。
「晴れた心の・・・」から、女声コーラスが加わり、澄んだソプラノが「晴れた心の日曜日の朝」を思わせ、透明な空気が会場を満たします。
「短い夏が終わったのに今・・・」では、あの物悲しさを
「僕じゃきっとできないな 本音を言うこともできないな」では、志村君の心の奥を
「君の小さな目から 大粒の涙があふれてきたんだ
忘れることは できないな そんなことを思っていたんだ」では、やるせない気持ちを
「東京の空の星は 見えないと聞かされていたけど
見えないこともないんだな そんなことを思っていたんだ」では、淡々とした気持ちを
聞きながら考えていました。
演奏後、会場は大きな拍手に包まれました。志村君の作った「茜色の夕日」が、また市民会館の大ホールに響いたのだと思ったら、感慨深いものがありました。
コンサートが終了し、席を立ち上がった時、一人のお母様と高校生ぐらいの息子さんの親子連れが、志村さんのご家族に話しかけていらっしゃいました。
「志村正彦さん、大好き。フジファブリック大好き。カラオケでいつも歌っています。まさか今日、ここで、志村さんのご家族にお会いできるとは思いもしませんでした。」
話をするお二人の顔は高揚していて、その興奮と感動が私達にも伝わってきました。
ふるさとを愛した志村君。ふるさとの人達に、こんなに愛されているのを見て、人の思いは循環するのだなと感じました。
改めて、素晴らしい音楽を遺していって下さった志村正彦君に、心から感謝したいと思います。
またこのような機会を作って下さった渡辺公男先生、富士吉田市民合唱団の皆様に感謝しております。
11月2日には、また富士吉田市新町文化祭で、富士吉田市民合唱団の皆様が「若者のすべて」と「茜色の夕日」を演奏して下さいます。ぜひお時間のある方はいらして下さい。
今日の一曲は、「茜色の夕日」です。
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