陽炎を見たことがありますか?
日本では夏の風物詩ですが、ここタイでは常夏にも関わらず、あまり陽炎をみることがありません。
不思議に思い調べてみると、「局所的に密度の異なる大気が混ざり合うことで光が屈折し、起こる現象」だそうです。
そうか!
昼夜問わず暑いタイでは、「異なる大気」が混ざり合うことがないので、あまり見ないということのようです。
また、「よく晴れて日射が強く、かつ風があまり強くない」という気象条件は、日本の典型的な夏の日なので、よく見かけるのでしょう。
無色透明ですが、向こうに見える景色がゆがんで見える不思議なモノです。
メラメラと暑くて溶けそうな道路から昇り立つ陽炎を見ることが、一番多いかもしれません。
フジファブリックの「陽炎」は、少年時代の夏の思い出を、志村正彦くんがよんだ曲です。
「あの街並」とは、きっと彼が育った富士吉田市の街並と思われます。
昭和時代の香りのする、独特の街並です(画像はこちら)
山梨県 富士吉田市の街並
大好きな野球のバットを持って、お小遣いを片手に、お菓子を買いに行く。
日本の子供たちによくある光景です。
志村くんも、小中学生時代は野球少年で、8番ライトとして活躍しました。
野球部に所属している少年たちは、夏休み返上で毎日練習に明け暮れます。
曲の途中、にわか雨が降ってきますが、こちらもまた日本の夏の風物詩です。
「夕立」といって、夕方に降ることが多いものです。
シトシトと降るのではなく、突然空が掻き曇り、雷鳴と共にすごい勢いで雨が降ります。
南国のスコールに近いかもしれません。
そしてしばらくすると雨はやみ、先程までとは違う、険のとれたやわらかな陽が差してくるのです。
雨のおかげで空気は澄み、下草の香りがいっそう強くなります。
日中の暑さはおさまり、こうして山の木々も草花も農作物も人も、暑かった夏の一日にほっと一息。
そのような情景を思い描いて、フジファブリックの「陽炎」を、聴いてみてください。