Friday, 12 April 2019

FAB BOX Ⅲ

2009年に行われたライブの映像作品のリリース&上映会 at 富士吉田市民会館の実施が、3月2日にフジファブリックOfficial Websiteで発表されましたが、ついにファン待望のFAB  BOX Ⅲの詳細が明らかになりました!

こちらの特設サイトをご覧ください。フジファブリック 志村正彦没後10年2009年映像作品集

「オフィシャル・ブートレグ」とは、聞きなれない言葉ですが、一体、何でしょうか⁉

「ブートレグ」(bootleg) の本来の意味は「密造酒」。かつて密造酒を小型の水筒に入れてブーツに忍ばせていたことに由来します(boot+ leg)。転じて、「著作権者の許諾を得ずに、無断で制作・製造され、不当に販売される非合法な製品」、ようするに一般的に「海賊版」といわれるもののことを指しています。

えっ、オフィシャルな海賊版?

実は一昔前、ヨーロッパの一部の国々では(イタリアなど)、「ハーフオフィシャル」という形態の作品が多数制作され、市場に出回りました。簡単にいうと、

「『ブートレッグ』(海賊版)とほぼ同等ともいえるクオリティのライブ音源や未発表音源などが、『アーティスト公認ではありますが、クオリティ的には海賊版に近いですよ』という意味合いをこめて『ハーフオフィシャル』として販売された」

ということのようなのです。

では、ハーフを超えるフル「オフィシャル(公式)」な「ブートレッグ」(海賊版)ってなに?!

ということになるのですが、「FAB BOX Ⅲ」は「ハーフオフィシャルよりも更にクオリティが高く、鑑賞価値のある、フジファブリック公認の作品」と個人的にとらえております。

前述のオフィシャルサイトにも明記してあるように、志村君の活動した最後の一年、2009年という年に限って、DVD化を前提にしたカメラをツアーにいれていませんでした。そのため、事務所やバンドメンバーが内内で使用する目的の「記録用」として、定点カメラで収録した映像が残されているだけでした。必然的に、今までに販売されたフジファブリックのライブDVDと比べれば、クオリティとしてはブートレッグよりなのかもしれません。

しかしそのような条件をすべて踏まえても、なぜこのライブDVDを世に出す価値があるのか。

それは、志村正彦さんが過ごした最後の一年を映す貴重な記録であり、フジファブリックとして活動した5年間で行ったライブの集大成ともいえる、素晴らしいライブばかりだからです。志村君が手掛けた最後のアルバム「CHRONICLE」をたずさえた「CHRONICLE TOUR」と、志村君のラストツアー「デビュー5周年ツアーGo Go Go Go Goooood!!!!!!」では、各楽器の成熟度がうかがえるアレンジと安定の演奏、観客と呼応して語るMC、照明など細部にまでこだわった演出、5年間を網羅する選曲など、さまざまな点から楽しむことができるライブでした。

「たとえそれが『記録用』であったとしても、構わない。もし映像が販売するクオリティに達していないという理由から製造販売が困難なのだったら、音声だけでいいからCD化して売り出して欲しい。それだけの価値があるものなのだから。」

昔からのファンにとっても、志村君が天に召された後にファンになった方にとっても、特別なDVDだと思います。タイムマシンに乗ってあの頃のあのライブに、行けるものならば行きたい。でも行けない。そんな私達ファンにとって、当時をうかがい知ることができる貴重な映像の数々があふれているのが、FAB BOX Ⅲなのです。

DVDだけではなく、ツアー中に撮影されたライブ写真集「SPECIAL PHOTO BOOK」にも、きっと貴重な写真が収められていることと思います。

「Official Bootleg Movies of "デビュー5周年ツアーGo Go Go Go Goooood!!!!!!"」に、ライブ記録映像と共に、MUSIC ON! TVがオンエアした特別番組「フジファブリックスペシャル」が収録されています。2010年4月上旬、志村正彦さん追悼特別企画として5時間のスペシャルプログラム「フジファブリックスペシャル2004~2009」という番組が、放送されたことがありました。音楽ナタリー 「M-ON!でフジファブ志村正彦追悼特番、5時間一挙オンエア」2010年2月15日付
この番組の中から編集され、DVD化されるのでしょうか。楽しみですね。


そして当時、両公演の物販で販売されていたグッズを復刻版として再生産し、BOXに入れて下さるなんて、夢のようなお話です。

志村君がデザインにも携わり、各ライブ会場の物販で販売されたグッズは手放したくないファンが多いので、オークションなどにはなかなか出回らないうえに、出品されていても高値で手が出ないことが多く、ファンは大喜びの企画ですね!

発売日を、2019年7月10日、志村君39歳のお誕生日として選んでくれた関係者に、心から感謝したいと思います。今後長い間、DVDを見る度に没後10年を記念してのご命日と一緒に思い出すのは、悲しすぎますから・・・。

さらに、7月6日(土)にはFAB BOX Ⅲのリリースに先駆け、志村君の思い出の場所、富士吉田のふじさんホール(富士五湖文化センター。通称、市民会館)にて、先行上映イベント「フジファブリック 志村正彦没後10年『FAB BOX Ⅲ』上映會」が開催されます。FAB BOX Ⅲに入っているDVD2作品を、この日のためにスペシャルダイジェスト版として編集し、志村君が2008年に最初で最後の凱旋ライブを行った市民会館大ホールで観覧しようという、一日限りのイベントです。2公演予定されていますが、客席数に限りがあるため、参加できるファンも限られてしまうものと思われます。FAB BOX Ⅱ発売記念イベントに来られなかったファンの皆様、ぜひ今度こそ富士吉田にいらして下さい!

盛りだくさんのFAB BOX Ⅲですが、これからも随時詳細が明らかになっていく予定です。ぜひ特設サイトをこまめにチェックしてください。注文を受けて生産する「永久保存完全生産限定盤」です。この機会に、ぜひご予約を!

ブログを始めて9年になりますが、このような嬉しいお知らせはそうそうあることではありません。素晴らしいニュースを記事にして皆様にお伝えできること、ただただ嬉しく思います。もうすぐ10年という時間が経ちますが、2009年最後のツアーで志村君が伝えたかったメッセージが時を超えて多くの方々に届きますように、お祈りしております。

志村君、発売決定おめでとうございます。



今日の一曲は、「Sugar!!」です。(海外でフジファブリックのVEVOを視聴できるようにしてください!)

Sunday, 7 April 2019

2019年3月9日「夕方5時のチャイムからのクボノ宵 supported by 路地裏の僕たち」レポート2

お客様に会場入りして頂いた後、20分程度の富士吉田のPR映像を流しました。








映像の中で、火祭りの動画が出てきますが(1:43-4ほどのところ)、そこに神輿をかつぐ、路地裏のお祭り男「なおすー」こと直さんが神輿の最前列で何度も出ています。ドローンで撮影などした富士吉田の動画で、すごくしっとりしたいい雰囲気だったと思いますが、最後にムトウマハラジャと吉田のうどんの映像で、笑いがおきました。ちょっと場違いだったかなとは思いましたが、してやったりな感じでした。ちょっと気を悪くする人がいないか心配でしたけどね。(マシト隊長 談)


志村君のお誕生日である7月10日とご命日である12月24日の前後7日間、夕方5時のチャイムとして富士吉田市防災無線から流れる「若者のすべて」が、粋な計らいにより、開始ブザーの代わりに会場で流され、ライブは始まりました。

今回のクボノ宵のタイトルとして、「夕方5時のチャイムからのクボノ宵」ってなってますが、これはクボさんがつけたもので、志村を思わせるフレーズとして「若者のすべて」の歌詞からとったものです。このタイトルになったときに、実際にチャイムをその日だけ流すのが難しいし、いつも通りのライブということで、余計なことをするのはクボさんに失礼ですし、何かできないかなーと考えてました。ライブ数日前に思いついたのが、開演に合わせて市民会館から撮影した、初めて防災無線を変えた時の動画を流すことでした。(マシト隊長 談)

その動画がこちらです。





これを流そうと思いましたが、市民会館の横には川が流れているため、チャイムの音がすごく悪かったので、どうしようかなーとまた少し悩みました。本当は、チャイムの元の音源と映像を組み合わせればいいのですが、そんな技術もなく、時間もなかったので、樋口さんと会場30分前にチャイムの音源のみを鳴らすことに決定しました。実はこのチャイム音も、ライブ当日の準備中に家に帰り、CDにやいて、ギリギリ間に合わせました。このドタバタ感が路地裏って感じというか、自分がいけないのですけどね。(マシト隊長 談)
そして映像の後、お三方が出てくるまで、沈黙の時間が続く・・・。

「若者のすべて」のチャイムが流れた後、クボさんたちが入場してくるまで、すごーく時間がかかって、なかなか来なかったですよ。どうしちゃったのかな?と。チャイムを流したので、志村色満載になった会場を一旦、清めるかのような時間でした。それにしても長すぎたので、「クボさん、怒ってるのかな?」なんて思いもでてきました。路地裏のメンバーや、志村家のご家族などが席に座るまでの間をとったのかなとも思いました。

空白の時間って、いろんなことを考えてしまうもんなんですよね。打ち上げでそのことをクボさんたちにきいたら、「誰も呼びに来てくれなくって、いつ出たらいいのかわからなくてさー、そろそろ行った方がいいよな。」って感じで控室から出てったようです。(マシト隊長 談)
詳しいライブの様子は、こちらのライブレポートをお読みください。

Rooftop ライブレポート 見えない親友に向けて、問いかけ、伝えるように歌われた富士吉田でのクボノ宵」2019年3月19日

3曲目で発生したクボさんのアコギのトラブルも、いたずらっ子のような志村君の笑顔を思い出させるエピソードになったようですね。

ライブが始まり、クボさんの独特な雰囲気と、想いのこもった歌声に、すぐに引き込まれてしまった。当たり前だけど、「さすがプロミュージシャンだなー。こんなスターに、自分はなれなれしく喋っていたんだなー。」と、背筋がピンとなりました。

三曲目で、ハプニング、クボさんのギターが故障した!!曽根さんが直しに行ってくれたけど、直らなかったらどうしようと、志村家に行って正彦のギター持ってきた方がいいのかなと、こちらもざわついた。曽根さんが直してる間、キーボードの健太さんとクボさんの2人での曲に変更し、何もなかったかのように歌い上げていた。さすがだなー、と。

曽根さんが戻ってきて、ギター直ったときの、会場の盛り上がりは最高でした。曽根さんがヒーローでした。(マシト隊長 談)
→次回に続きます 

2019年3月9日「夕方5時のチャイムからのクボノ宵 supported by 路地裏の僕たち」レポート1


「路地裏の僕たち」はフジファブリック志村正彦さんの同級生であり、昔からの友人だった「僕たち」が、志村君を思って2011年に結成した有志の集まり。
その「路地裏の僕たち」が2019年3月9日、志村君の親友メレンゲ クボケンジさんの応援団として、単独ライブをサポートさせて頂きました!
イベントの詳細については、こちらです。夕方5時のチャイムからのクボノ宵 supported by 路地裏の僕たち


我らがマシト隊長はじめ、kazzさん、つーさん、大造さん、カズ君、平ちゃん、なおすー、長田くん、真弘くん、新くんが、会場となった富士五湖文化センターにて準備をしてくれました。(ちなみにブログ記事を書いている私は、帰国叶わず、参加できませんでした。路地裏のみんな、LOFTのみなさま、クボさん、お手伝い出来ずに申し訳ありませんでした。)当日、澄み切った青空に美しい富士山がみえると連絡を受け、天候にも恵まれて素晴らしい日になったのだなと思っていました。

今回もマシト隊長が大活躍。隊長は絶対に私たちの期待を裏切らない。心配だってなんのその。いつだって、やってのけてくれるのです!

会場の正面ホールの壁には、志村君が新宿LOFT創立30周年によせておくったメッセージ(SHINJUKU LOFT 30th ANNIVERSARY ROCK OF AGES 2006より、ご覧頂けます)、クボさんと志村君が一緒に映っている新宿LOFT所有の写真3枚を、展示しました。

まず、会場入り口のお花の横に展示した写真ですが、飾るの決定したのは当日です。新宿ロフトの樋口さんに、正彦とクボさんの写真がないか、急遽探してもらって、前日にパネルにしました。クボさんがライブは特別なことはせずに、いつも通りにしたいという意向を聞いていたので、どうしようか悩んでいました。当日、クボさんに話をしたら、「志村のご両親がいいのなら、路地裏のみんながやってくれることはオールオッケー。」という感じでした。(マシト隊長 談)



2011年に開催された第一回目の企画展「志村正彦展」から、幾度となく展示を手掛けてきた路地裏ですが、今も段ボールは健在ですね。みんな若いなぁ。



今回もライブに来て下さったお客様に、路地裏の僕たちからささやかなプレゼントを。

kazzさんが中心となり、路地裏メンバーからの意見を集め、今回のライブに合わせて改訂した「下吉田てくてくMAP~志村正彦編 2019年3月9日クボノ宵バージョン」(MIUさん、デザイン・構成・作成をありがとうございました)。富士吉田市のエコバッグを添えて、「今回のライブの思い出になれば」と用意しました。ライブ当日、てくてくMAPは会場以外でも富士吉田市各所(富士山駅、駅前観光案内所、ハタオリマチ案内所、春木屋、ジョーカーズテーラー、お花tsuzuri、ロンタン、カフェ月光、M2、トラヤ、下吉田倶楽部、小室浅間神社、新倉浅間神社)にて配布されました。

志村君の親友クボさんが、志村君のふるさと富士吉田でライブをするにあたって、このような思いを心に秘めていらっしゃいました。Rooftop インタビュー 「クボケンジ かの地・富士吉田にて出張遠征するメレンゲクボのソロライブ『クボノ宵』その真意を語る

「志村のご両親や友人に、自分のライブをみてもらいたい」

この気持ちが発端だったとのことですが、心根の優しい方ですね。
「特別な場所であるけれども、自分のソロライブを普段通りにする」ということを強調してもいます。いつものことを、いつものようにすること。クボさんにとって、そのことが重要だったのですね。

でも「是非、僕の音楽を好きな人にも一度富士吉田という街に来て欲しい。自分の親友だった男の育った所を一緒に見てもらいたい。」
この言葉に、クボさんのファンに対する気持ちと、親愛なる友人、志村君への愛情・底知れぬ喪失感を感じました。前述のインタビューの中では各所にそれを感じます。

→次回に続きます

Tuesday, 2 April 2019

新元号「令和」

昨日、2019年4月1日午前11時41分、新元号が発表されました。「平成」の後は、「令和」の世になるのですね。NHK国際放送のおかげで、私もリアルタイムで発表をみることができました。

安部首相が正午過ぎ、新元号について談話を発表し、「令和」の典拠を示しました。

出典は日本最古の歌集「万葉集」巻五、梅花の歌三十二首の序分、

初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」

(「時あたかも新春の好き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている」中西進著「万葉集」現代語訳引用)

なんとも美しい歌です。

悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいきます。」と安倍首相の談話にもあるように、日本の四季、美しい自然と文化に私は思いを馳せ、桜の季節に発表された新元号の響きをきいていましたら、フジファブリックの四季盤を聴きたくなりました。

春 「桜の季節」
夏 「陽炎」
秋 「赤黄色の金木犀」
冬 「銀河」

こうして並べてみると、志村君らしい独特の視点からとらえた季節を歌った歌たちは、リリースから15年近くが経つ今でも、まったく色褪せず、多くの人を魅了し続けています。それはまるで1200年以上の時を超えて、万葉集の歌に詠まれた梅の花の白さや蘭の香りが現代を生きる私達を魅了し、新元号を含む歌として再び注目を浴びているのと類似しています。

本物は色あせない。
良いものは良い。

昨日の新元号の発表をみた私達が一人残らず、この世からいなくなった後も、フジファブリックの四季盤と共に、志村君は生き続けているのだろうと思います。それにしても・・・志村君が知らない元号になるんだな・・・。わくわくする反面、なぜこんなに寂しいのでしょう。

そんなセンチメンタルな気分になった昨日の発表でした。

今日の一曲は「桜の季節」です。富士吉田の桜は、まだつぼみだそうですが、暖かい日が続けば一気に開花しますからタイミングをみるのが難しいですが、志村君が好きだった富士吉田の桜を見に、ぜひ山梨においでください。

「桜のように舞い散って しまうのならばやるせない」

桜の儚さより華やかさを連想する若者の方が多くなってきたと、先日NHKの番組でみましたが、日本に平和な時間が長く続いてきている証なのかもしれませんね。