~芙蓉文化賞とは~ 一般財団法人富士吉田文化振興協会設立の 主旨に基づき、富士北麓地域において特に 優れた文化的業績を挙げ、広く国内外の評価 を受けて活躍中の個人または団体を顕彰し、 この地域の文化向上に資することを目的と して平成7 年に制定する。(一般財団法人富士吉田文化振興協会 「芙蓉文化賞」引用)志村さんが不在の12年を経てのこの度の受賞が、「今」を点として見てしまいがちな現代の私達に、大切なメッセージを伝えてくれているように思います。 活動中のバンドでさえ、次々と転落し、消えていってしまう厳しい音楽の世界。フジファブリックというバンドが継続する一方、志村さんご自身も、楽曲自体も、そのままの姿で存在し続けてきました。
なぜ今、「若者のすべて」が教科書に選定され、志村正彦さんが芙蓉文化賞を受賞するのか。それはやはり、志村正彦さんのもつ、一人の人間としての魅力と卓越した才能、そして楽曲のもつすばらしさが、世間から少しずつ評価され始めてきたからなのだと思います。
フジファブリックとして活動していた2004年から2009年の5年間を含む29年という人生で、志村さんはひたむきに、努力をおしむことなく、全身全霊で楽曲を作りました。何もかも忘れて音楽に打ち込む純粋さ、音楽と向き合う真摯な姿勢は、志村さんを語る際に忘れることができない魅力です。そのようにして作られた楽曲は、「本物」だけがもつ光を放ち、12年という時間を越えて今でも輝き続けているのだと思います。
「まっすぐな気持ちと、本物は人の心を打つ。」
それに尽きると思います。
地元を愛した志村さん。今度は地元が志村さんに何がしてあげられるのでしょう。考えずにはいられません。