Wednesday, 30 May 2012

フジファブリックのアンケート


雨季に入ったバンコクでは、毎日雨が降っています。
一年のほぼ半分が雨季というタイでは、雨は「恵みの雨」といわれ、雨季が好きなタイ人も大勢います。一雨ごとに緑が生い茂っていくのをみて、雨のもつ力に圧倒されますが、「恵みの雨」とはこの時期に田植えをし、雨季が明ける頃に刈り取るというタイの慣習も、関係しているのかな、と思います。

さて、古い記事をいろいろと読み返していました。

インディーズ時代の記事を先日取り上げましたが、今日は「フジファブリック インディーズ時代 第二弾」と称しまして、ライブの後に会場で配られたフジファブリック オリジナルアンケート用紙についてご紹介したいと思います。

メジャーデビュー前、フジファブリックがまだまだ小さなライブハウスでライブをしていた頃のこと。
会場に来てくれたファンに、「アンケート」なるものが配られました。
志村君手書きのアンケート用紙です。

一見非常にシンプルですが、用紙の一番上には、志村君がメジャーデビュー後にも使っていたあの手書き「フジファブリック」の太文字が!このロゴ?は、インディーズの頃から使われていたのですね。

その後の質問の数々も、すべて志村君手書きとなっております。丸みを帯びたかわいらしい文字で、要領を得た内容の質問が続きます。

・今日はどのバンドを観に来ましたか?
・フジファブリックのライブは初めてですか?また、何回目ですか?
・好きなアーティストを教えて下さい(複数可)
・今日のライブで一番良かったのは、どの曲ですか?
・今日のライブの感想etcをおねがいします

などなど。

私がこのアンケート用紙をみた感想は・・・。

まず、とても几帳面に紙面が書かれていること。男の子が書いたと思えない!字も見やすく、とても丁寧に書かれています。

各質問の下のお客様が答えを書く場所に、几帳面にきちんと定規を使って、線が一本一本ひいてあります。
また、ライブの感想を書く欄は、結構大きい四角で他の質問から区切られていて、皆さんができるだけ多くの言葉で自分の感想を書けるようになっています。
「皆さんの生の声」をきいて勉強し、バンドの今後に生かしたかったのでしょう。

対バンが多いインディーズ時代ですから、フジファブリック以外のバンドを観に来たお客様も含めて、アンケート用紙を配布していたと思われます。



そしてアンケートの最後。

~よろしければで結構です~

という言葉の下に、お客さんが個人情報(名前、年齢、性別、電話、住所、メールアドレスなど)を書き込む欄がありました。
この「よろしければで結構です」という言い回しが、遠慮がちに、でも教えてくれたらなぁ、という志村君の気持ちがじわじわと表れているようで、ぐっときました。

「ここからは必須事項ではありませんので、ご希望でお書き下さい」
などという事務的な言葉で書かれるよりも、なんだか妙にあたたかくて、若い男の子らしくていいですね。

「素晴らしいバンドになるんだ!」という意気込みが垣間見られるアンケート用紙。
生涯保ち続けたこの向上心は、「人の何倍も努力しなくてはいけない」という志村正彦君の基本姿勢といえます。
きっと回収されたアンケート用紙を家に持ち帰って、作曲や作詞の合間に何度も読み返していたことでしょう。新曲の反応や、演奏の批評などいろいろなお客さんの顔が見えてくるこのアンケートの回答を通して、どんなことを考えていたのかな。

「逆アンケート」をしてみたくなりました。ファンの私たちの知りたいところですね。

今日の一曲は、「陽炎」。
今年もまた、陽炎が見られる季節が巡ってきます。


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